空気銃弾
  内外空気銃弾のいろいろ

Pelletを辞書引きしてみると、「小球または小粒」となっている。ライフル(Rifle)の弾丸がブレット(Bullet)に対してはっきりと区分けしており、記述中は弾(たま)と略して表現している。
 世界中に存在する弾の種類は一見大変な数になるように見えるが、意外と感じているほどの種類はない。それは一つのブランド名がついていても、他社で名前と容器だけを変えて売っているものが多いからである。これは工場生産品の最近の傾向であり、できるだけ一つの工場で集中的に生産しなければ、今のコストが維持できないのである。そうは言っても、世界中のメーカーの数はおそらく数十社あると思われる。
 生産国はドイツ,イギリス,スペイン,アメリカ,韓国、中国、フィリピン、日本。細かく調べればもっと多くの国で作っているであろう。確かに白人圏以外の弾を入れれば相当な数になるが、品質や取引条件を考えるとあまり効率的ではないので、ここでは取り上げない。
 国産空気銃弾の特性
 わが国における空気銃弾の変遷は、戦前の一般大衆への供給が始まった時期であり、様々な形態の弾が考え出された試行時代であった。先輩格であるヨーロッパでは、その歴史の深さからみると、丸弾(BB弾)を使っていた期間が遙かに長かった。その理由の一つには、実際の軍需装備としての時代背景があったことは否定できない。特に装填に対しての構造が比較的簡素であり、結果として連発機構がこの時代における空気銃の代名詞となったのである。つまり、連発で実戦に使用したのは、大多数が空気銃であった時代なのである。
 装薬銃での連発機構の完成期は、後のブローニングによってなされた回転式が、その集大成となって定着の時代を迎える。その頃の空気銃の連発機構は、上部に貯めてある丸弾を、落下式により装填口に導いた構造であり、簡単な様式である。
 わが国においての空気銃の大衆化は、ヨーロッパに比べると、相当な期間を待ってのデビューとなった。
 戦後における空気銃の本格的大衆化により、弾の生産も当然発生したわけであるが、発想のほとんどが、ヨーロッパの模倣から始まっている。メーカーは、ホワイトイーグル、ツル印、ハト印、シロワシ印に始まり、ジェット、シャープと続くわけである。
 弾の生産会社では、様々な時代的変化を何とか乗り越えて現在にいたっているが、新たなる種類の傑出にはいたっていない。
 現在、出回っている銘柄は、ジェット弾とシャープ弾である。この弾種が担ってきた役割は、ポンプ銃全盛時代の申し子とも言われたポスト(地位)は、現在のプリチャージ銃出現により、その対応性は薄らいでいることは否定できない。
 現在の空気銃弾への期待は、もっぱら輸入弾への依存が根強く、ポンプ銃派への刺激も大きい。輸入弾の中から、軽量弾や比較的重たい弾へ使用変更しているハンターは多くなっているようである。
 しかし、前託の二種の国産弾の利用価値は薄らいだとは言え、まだその用途は歴然としており、ポンプ銃やガス銃には十分使用に耐えるものだと、信じている。特に連発式ガス銃には、国産弾以外では装填できない輸入弾がほとんどであり、弾速の遅いガス銃には、最も適した弾である。
 しかしながら、国産弾の地位は、わずかな用途にしか存在価値を見い出せないのが現実であり、より一層の努力を求めたいところである。
 主な輸入空気銃弾の特性
 現在入手できる主だったメーカーは、H&N、ビーマン、RWS、クロスマン、ビズリー、BSA,チャンピオン、エアアームズ、ガモ、エレイ、マークスマン、ダイアボロー、ペレットマンなど、全体としては多くの銘柄がある。
この中には同じ製品なのに異なったブランド名で販売されていることも十分考えられるが、銘柄で選ぶよりは、その弾がいかにその銃に適合しているかが、本質的な目的であるので、あえてその実態を話すことは控える。ただ一つの例を話すと、バラクーダとコーディアックの関係である。
 どうみても同じ弾である。以前、拡大鏡でスカート底を検証してみたところ、まったく同一な機械的痕跡が認められた。これは同じ機械または治具により傷つけられた証拠であるので、この二種の弾は同じ弾である。ただし、その製造時期、ロットの違いにより、その痕跡は微妙に変化しており、当然、微妙な着弾の差となって現れるのである。
 しかしながら、どちらかと言うと、コーディアックを指定してくるハンターが多いのも現実である。「基本的には同じ弾」といくら伝えても、マニアから言わせると、着弾の安定と精度がコーディアックが勝っているというのが、大多数のハンターの評価である。
 H&N ドイツ製となっているが、現在、世界的な生産体勢のほとんどは、いつ原産地が変更なるかわからないのが現状であり、原産国を特定することに価値は見い出せないのが現実であるので、以下については原産国の特定は控える。
 H&Nは世界的にみて、これほど空気銃弾に対して熱心に取り組んでいるメーカーも珍しい。わが国においてはバラクーダという呼称の弾が一番一般的で、普及している弾の一つである。
 コーディアックと並んで、その性能はトップクラスに属している。その大きな理由に、ほとんどの銃に適合し、希にはずれたとしても、ビギナーには判断できない範疇に、その精度は常におさまっていてくれる優秀弾である。
 弾の形状からくる原則は、できるだけズングリした形状が良いとされることが低速銃種の基本概念であったが、この弾種の出現で、その概念は脅かされる結果となっている。長細くても精度が維持できるのである。
 もっとも、昔ジェット弾を二つ合体して飛ばしても、その精度は維持していたことで証明済みであった。
 クロスマンプレミア 世界の空気銃弾を二分していると言ってもよいくらいな優秀弾である。口径.177と.20 にバラクーダとほぼ同等な重量弾を輩出し、口径.22 については、14gr. 台の軽量弾となっいている。
 ビーマン 直接製造しているメーカーではないが、その形状の多さでは、他を圧巻している。H&Nや国産のジェット弾なども包括されている。
 RWS 独自の形状の弾を多く輩出しており、ほとんどが軽量弾である。シャープ・チバはポンプ銃の推薦弾と称して、スーパードームを販売している。
 現在まで比較的頻繁に使われてきた三種を説明したが、弾それぞれの特性については、細部にわたる解説はしにくいところである。
もし、強引な説明に及べば、使う銃、頻度、レベルなどについて、矛盾を増やす結果となり、本題の趣旨とはかけ離れてくるので避けることにする。
 つまり、あるハンターにとっては、このうえないで弾も、違うハンターにとっては、何の価値も感じられない結果があり、決して銘柄で銃との接点を同一化することはできない。
 重量弾と超重量弾の特性
 弾のほとんどが軽量弾に属し、30m 前後の近射用で、一部ブランドの中には比較的重たい部類の、いわゆる重量弾と称すべき弾種が存在している。ここで言う軽量弾とは、5.5mm の場合、国産のジェット弾、クロスマンプレミアなどの14gr程度の重さである。
 一方、比較的重い弾とは、4.5mm のクロスマン・プレミア、ビーマン・コーディアックの10gr台の弾、5.5mm ではH&N、コーディアックなどの21gr 台のものになる。希な存在としてエレー、ペレットマンや、韓国弾に5.5mm で30gr台の弾があるが、30ft-lbs程度の銃にはとても使えず、ひどいときには横転弾が起きる。この重量弾の一部は完全なブレット弾であり、典型的な先軽、高速用である。しかし、国内での使用となると、ほとんどは不合理な使用勝手になるはずである。
 超重量弾の中に、スーパーマグナムという弾がある。CTCカスタムテクニクスから販売されているが、何と20grが口径.177用にある。いったいどのような用途に使うのかと考えてしまう(経験者ほど多いことと思われる)だろうが、いまだ世界的にも開発途上の分野であり、その理解に及ぶことはなかった領域であろう。
 小口径高速、つまり口径.177でどこまでの低伸弾道が可能なのか、その効果はどのようになるのか、その道に詳しい人ならばこそ知りたい世界である。
 口径.177で、20grを30〜40ft-lbsで撃ち出すと、今までの口径.22 で40ft-lbsを遙かに凌ぐ弾道がある。
 口径.20 では、26grがある。この弾で高速で飛ばせれば、その弾道は、最も汎用性の高い使い方に発展していくことだろう。
 口径.22 にいたっては、28〜32grがあり、かなりの大物に対処可能となる。
 口径.22 ブレット弾は、数年前にテストしたところ、ある程度以上の弾速があれば50m
で4cm ぐらいには集弾し、軽い弾より2Cm ほど上に着弾した例がある。この弾に巡り合う数年前に、重いペレットの後端に軽いプラスチック球を接着して撃ったところ、40m で2Cm も上に着弾したことなどを懐かしく思い出される。
 今では多くの弾種が手に入るにようになっているが、その頃の私は、数少ない弾種で何とかポンプ銃でもっと良い弾道ができないものかと様々な創意を試みた時代であった。実行するたびに落胆の連続で、とても他人には言えない試行錯誤もあったが、今振り返ってみると、思い出のいっぱい詰まった、懐かしい体験である。
 重たい弾なのに、上に着弾する事実は、ブレット弾の形状が空力的にペレットより勝っている証である。ペレット(鼓弾)の形状は、空力的には決して適しているとは言えない。そのほとんどの原因は、スカート部が大きくえぐられており、空気の流れの処理は極めて不利な条件ということである。
 しかし、対象となる獲物や、「空気銃はこの程度の威力」と思われている社会通念を考慮すると、ペレットの形状にしかその道は開かれていないのが通例である。
 要するに、社会的な同意なしに、意外性を持った空気銃の威力では、いまだ社会からは認められにくいというわけであり、一般的な社会通念を無視してまで実行できるほどの、一般化は現在では未だ難しいと考えたほうが無難である。
 弾種の選択、購入時の心得
弾の存在価値は、空気銃にとっては銃の分身ぐらいの重要性を秘めている。当たらないと信じ込んでいた銃も、弾を替えた途端、名銃となりかねないくらい重要なポストを占めているのが、この弾なのである。 
 従って、いま流行の高性能銃を売りながら、弾の種類が2〜3種類しか置いていない販売店には注意が必要である。また、自社の銃に専用弾と称して銃と同じブランド名で弾を販売しているものもあるが、基本的には、銃とはそれほど関係ないと考えるべきである。確かに良く当たる場合もあるが、パワー、距離、弾速のすべてにオールラウンドである製品はないのである。たまたまその銃と条件に巡り合わせがよかっただけであると考えるべきである。
 そうでなければ他の弾を試す以前に、銃の性能がそれだけに固定されてしまい、大変危険な考え方である。銃メーカーに聞けば、おそらく自社の銃を優先したければなおさら、他種の弾を試してもらうことを望むはずである。
 昔からの基本設計は、弾に合わして銃を実験するそうであったが、現在のような豊富な弾種の存在は、そこまでの必要性より、むしろ広い汎用性を求めているはずである。
 空気銃弾の形状と特性
 弾の形状によって、その弾道に個性が出てくるのはごく自然な事実である。世界一その形態を擁しているビーマン社の空気銃弾を例に話を進める。
1.ポインテッド(Pointed)
昔、製造精度が悪い時代には、当たらない弾の烙印を押されていた弾であるが、今となっては使い方によっては何の遜色もなく、前述の弾とはほぼ逆の性質を有し、スピード、エネルギーにおいては問題はない。ただ形状から来る大きな質量は、それに見合った弾速があれば釣り合う。また貫通性は良いが跳弾しやすく、オールラウンドとは言えないが、一部の狭い範囲での使用に耐え得る弾種である。
2.ワッズカッター(Wadcutter)
呼び名のとおり紙的を弾が貫通したときに、綺麗な丸い孔が生まれるように、周囲をエッジ状にしている。主に射撃用として開発した弾であるが、この形状は獲物に対してインパクトの強さと、跳弾しやすい角度で獲物に着弾した場合でも、そのエッジが食い込みやすくなる。ただし形状からくるその空気抵抗は大きく、30〜40m までが精度を維持できる限界距離である。従って高速には不向きである。
3.ホローポイント(Hollow Point)
先端に大きな穴を有しているタイプであり、前述したワッズカッターを限りなく狩猟用に改造したデザインである。
 その形状から推察すると、比較的短い距離に対応し、大きなその破壊力はひとサイズ大きめの弾と同等のインパクトがあるが、やはり長距離、高速には向いていない。30m 位の大物には大変小気味よい結果が期待できるが、キジバト以下の鳥に対しては少々オーバーロード気味となる。
4.ラウンドノーズ(Round Nose)
われわれが最も手軽に使う弾種である。従って一番多くの種類が存在しているので、そのテストに忙しいハンターも多いはずである。
 先端形状が丸みを帯びているものであり、ポインテッドに丸みを持たして細長い形状のもの、かなり扁平性の強いタイプ、完全な半球に近いものまで揃っている。
 その銃を試射する場合は、まずこの種の弾から始めるのが無難である。
 狩猟とは個性的なものより、日常的な感覚の中にほんの少し個性が潜んでいるものである。どのタイプが一番良いかなどということはとても言えないくらい、メーカーによっては多くのデザインがある。ただ、このラウドノーズ形状がどのような条件にも比較的対応しやすく、その頻度が実績を物語っていることは確かである。
 弾の精度と形状
 弾底部の精度が、弾の離脱時に大きく影響することも事実である。弾が銃口を離脱したとき、すさまじい追い圧が弾底部を襲う。このとき弾底部が均一に整形されていなければ、弾にかかる圧力も不均一となり、離脱した瞬間から弾は予定とは異なった方向へ向かってしまうのである。
 空気銃において、この事実は決して見逃せない重要要件である。それはペレット(粒)などと呼ばれている程度の精度では、とても装薬ライフルには太刀打ちできないのである。
 これからの空気銃は、弾をいかに高精度に作れるかかかっている。そして、もっと改善しなくてはならない点は、つづみ弾の形状から、いかに脱し、どのような形状を精度良く作れるかに、すべてはかかっているのである。
 例えば、重たいブレット(装薬ライフルで使用する弾の形状)を50m で撃つと、軽いつづみ弾より1インチほど上に着弾する。この事実は、いかにその形状が腔外弾道に影響しているかを裏付けている。
 また、通常のつづみ弾の中でも格差はあり、20m の至近距離でも、重たい弾のほうが2Cm も上に着弾する場合もある。これらの例でわかるように、上に着弾する弾は低伸性の優れた弾であり、存速を高速に保ちやすい形状なのである。いわゆる優秀弾である。
 この優秀弾は比較的どのような銃種であろうとも、良く当たる傾向を持ち備え、空気抵抗係数であるBC値にも、はっきりとその結果がでている。
やさしい弾道学と弾道の特性
弾道とは、ゆるいカーブを描いて飛行する弾の学問であるが、ハンターには大きく分けて、2タイプのハンターがいるようである。
 一つは、弾道がカーブしている事実は理解できても、具体的感覚が宿っていないタイプ。つまり、飛行している弾が常に上下に移動しながら飛行していることと、着弾点も常に移動していることを習慣的に考えられないタイプなのである。
 元を正せば散弾銃を長年経験したが、ライフルとの違いをそれほどの思考をもって考えられなかった方達に多いようだ。このタイプの方がライフルを所持しても、それほどの違いは感じない。それは200mほどの、ライフルとしては当たって当たり前の距離しか、ほとんど撃たないからである。
 この距離での弾道は、.30 カービンでない限り、200mでは弾道の上下動がハンティングには影響しないからである。大物猟の急所のサイズは大きく、そのエネルギーと精度、安定性を考慮し、空気銃猟と比較すると、断然有利なのである。
不利な条件を駆使した空気銃猟の中には、ライフルの基礎技能のすべてが詰まっており、まさにライフルの道場が、この空気銃の弾道なのである。
 空気銃猟では、距離によって大きく変化するその弾道は、大変わかりやすく、ハンターは否応なしにその弾道を意識せずにはいられないのである。
 かくして奮闘努力の甲斐あって、ライフルを所持したときには、弾道曲線を常に意識するハンターとなり、遠射に挑戦可能なライフルスナイパーが誕生するのである。もちろん、このタイプがもう一つの理想のタイプである。
  BC値(Ballistic Coefficient) と弾道  の関係
BC値とは、その弾丸固有の空気抵抗係数とでも表現しておこう。つまり、その弾が空気中に飛び出た瞬間から、このBC値によって常に、その弾の飛行曲線は支配されることになる。
 今では一種のコンピューター用語のようになっており、弾道計算の際は、このBC値を必ず入れなくては正確な弾道は求められない。コンピューターの起源は、もともと弾道計算を目的に発想されたので、精度を追求していけば自ずと通らなければならない係数である。 昔、私も友人から貰った弾道ソフト入りのコンピューターを操作して、世界のライフル実包の弾道を調べてみたが、装薬ライフルについての精度には、大変驚いたことがあった。
 BC値は、このコンピューター処理する際に多くの条件設定のために数々の条件データを入力するが、その際に必要なデータの一つがBC値である。必要な条件データの種類は通常、次の項目がある。
 弾頭種、弾頭重量、BC値、照準高さ(視線と銃身軸線間の距離)、ゼロイン距離、最高表示距離、気温、気圧、湿度、標高、風力、風向角度、射角度などが最低限必要としている条件設定である。この一項目を変えても、その弾道は微妙に変化していく。
 例えば、射角度を水平でなく30度とした場合の着弾点は、口径.308のライフルで300mを撃つと40Cm前後上に着弾する。この角度で撃つと、ライフルといえども獲物の胴体分、着弾がはずれてしまうのである。
 このときもBC値は微妙に影響しており、BC値の高い弾ほどその空力特性は有利な弾道となり、低伸弾道という湾曲の少ないフラットに近い弾道となる。
 高いBC値を求める際に通常考えられる断面形状は、ボートテールと呼ばれる形状が多く使われている。この形状は先端をスマートな流線型で、弾底部が絞られたものである。
 流体設計での常識は、弾底部から少し離れた後に箒 星のような後ろに曳く空気の流れの処理が重要な項目となるので、これを素直な形で後方に空気を流し、可能な限り弾底部近辺での渦巻き現象を避けたいのである。この渦巻き現象が起きると、弾丸の後ろが真空状態になり、結果として弾を逆に引っ張ろうとする大きな抵抗となる。空気銃で使われているペレットなどは、まさにこの影響を受ける形状であり、弾速の割には「シュー」といいながらの飛行音は相当なものである。
 昔のことであるが、どうしてもその証拠をつかみたくて、装薬ライフルの飛行音を、ある環境の中で確かめたところ、そのすさまじい弾速の割には、それほどの音量ではなかったことを記憶している。従って、あのBC値の優れたコーディアックと.22 リムファイアの弾頭のBC値を比べてみると、その差は歴然としており、以前に実験した結果である、重たいのにブレット弾のほうが50m で2Cm も上に着弾することが理解できる。
 BC値算出方法への考察
 この件については、私の友人であり、ハンターでもある、藤沢市の鈴木清氏からの協力を得て、以下の記述をまとめてみた。
本来のBC値の定義=質量/ 面積×抵抗係数であるが、銃でのBC値は次のとおりである。
 着弾距離/ {(初速度での質量/面積×抵抗係数)−(着弾点での質量/面積×抵抗係数)}
従って、各距離によってBC値は変化するが、その代表的な値を一つ求めることによって、そのペレットの特性を知ることができる。
 また、コーディアックを基準に考えたとき、初速度と終端速度から代表的なBC値が近似で求まり、これにある定数をかけることにより、他のペレットに対しても大凡の値を求めることができる。
 例 コーディアック口径5.5mm の場合
ln(初速/終端速度)÷100= BC値
ちなみに初速が790 フィートの場合はBC値は0.032 になる。
 gr.(グレイン数)、ペレットの形状の違いは、この値にある定数をかけることにより対処できる。
 ln:自然対数
 終端速度:{(ペレットの密度−空気の密度)
 ×加速度×ペレットの直径の二乗}/18×空気の粘度(20℃時の粘度は1.8065×10^-5)
 正確にBC値を求めるのであれば、初速度と、ある距離で弾速を調べることにより、正確な値が求まる。
 尚抵抗係数の計算方法は
 C=24μ/dp・ρf・u
   μ:1.761×10^-5(10℃)
dp:5.5×10^-3
ρf : 1.2451(10℃)
u: 速度

弾道ーその個人差
 現在の狩猟は、昔とは少し違ってきている。様々な面でその違いはあるが、特筆する点は獲物の個体数の減少であろう。地方によってはまったく逆の希な地域もあるようだが、一般的には個体数が減っている。特に都市部周辺の猟場では極端にゲームが少ない。
 大物猟の状況も同様の実態である。せっかく出現した獲物を確実に仕留めない限りそう多くの猟果は望めないと思うと、勢いハイパワーの銃で、少々急所をはずしても何とか回収まで導きたいと考えるのは、ハンターとして当然かも知れない。
 われわれエアハンターの獲物と比べると、大物のイノシシやシカのほうが追跡しやすく、また放血割合にも相当な差がある。一方、エアハンターにとってゲームの追跡チャンスは、そう期待できるほど多くはない。それだけにハイパワーで勝負と思うハンター諸氏は多いのではないだろうか。
 基本的には大きな間違いではないが、勘違いしている部分がある。キジやカモ程度のサイズでは、それほどのパワーは必要がない。ポンプ銃が最大18から20ft-lbsのエネルギーだとすれば、このエネルギーで十分である。
 ただ問題になるのは、獲物までの距離である。われわれハンターにとって、これほど悩ましい課題はない。その人の技量、装備によっては50m までは有効な初弾を送れるであろう。
 技量とは、自身がおかれているフィールドという環境を、いかに自分に都合よく整えられるかということである。つまりハンターには、その距離を克服できないのであれば、可能となる距離まで接近できる技術が必要となる。どうしても50m で仕留めたければ、正確な距離の把握と、湾曲するその弾道にどのようにして獲物と接触させるかが、道具を使いこなす技量ということになる。
 すなわち、弾道そのものはその個人が作り、所有している固有の道具なのである。例えば、正照準(スコープの中心ポイントで撃つための狙点)で撃つことができる距離(通常ゼロインした距離と言う)が25m や30m だったり、または35m,40m だと、弾速によっても、また、それぞれのハンターによっても異なっており、銃種、整備状態によっても弾速の違いが起きてしまう。
 従って、他人が考えている、または所有している弾道とは微妙な相違点が存在している事実を早く感じとることも、重要なエアハンターの資質である。この弾道に、どのように獲物を導くか、または固定した距離に、どのように獲物を合致させるかがエアハンターの醍醐味となる。
 確実性を考慮したうえで距離50m 以上となると、相当の困難が考えられる。風はできるだけないときを待つしかなく、こうしなければ良い環境が整ったとは言えないだろう。このような状況でもポンプ銃で仕留めている人もいる。しかし、その効率、つまり半矢を限りなく少なくすることを条件とすると、風ほどの大敵は存在しない。風があっても獲れると言いきる御仁は、よほどの修行者か、歩留まり計算のできない人と、私は考えてしまう。
 風を計算に入れてという話になると、30m ならいざ知らず、50m またはそれ以上の射程となると、前記と同様となる。弾速がそれほど速くない銃の宿命であり、どうしようもない現実である。ここで初めてハイパワーを考えるわけである。
 ハイパワー、何と頼もしい響きを持つ言葉であろうか。弾速が速いということはほとんど、そのデメリットはない。弾を安定させたままで遠くまで弾丸を導き、ターゲットを捕捉する役目を持っているからである。
 「遠くであったから不正確」では力の持ち腐れとなるので、弾速と合致した重たい弾が使われることが一般的である。例えば口径5.5mm、40ft-lbs までは21gr. の少々重たい弾で十分であろうが、これ以上のエネルギーには、さらに重たい弾でなくては精度の維持は期待できない。
 ヨーロッパの空気銃のほとんど、またはすべての空気銃は、弾倉のキャパシティが最大の弾としてバラクーダ21gr. 弾に合わせてあり、それ以上の重量弾は装填不可能に作られている(小口径の場合に限って包括できる弾倉はある)。
 これはどういうことなのだろうか。50ft-lbs. もエネルギーがある銃を販売しながら、適合弾がそう気楽に手に入らない状況は、そのような強力な銃はほとんど売れていない証拠なのである。
 売れない理由は、いつでも手軽に買える.22 ロングライフル・リムファイアがあるので、ほとんどの白人圏では強力な空気銃は必要ないのである。わが国のお国事情とはまったく違うのである。
 この事実と、現状のヨーロッパが考えている空気銃への思い入れは、われわれが思っているほどのものはなく、むしろ商業ベース優先の考えですべてが動いているように私は感じてならない。
 次に、弾速によってはバランスのとれた銃身長も考えなくてはならない。お仕着せの量産型は、取り回しの良い銃が売れるので、どうしても短い銃身を採用しがちである。目安としては40ft-lbsまでは50Cmの銃身でも使えるが、それ以上のエネルギーでは少し長めのほうが弾速は伸びていく。しかし、最長でも60Cmが妥当な長さである。それ以上延伸ばしても抵抗値が増えていくばかりである。
海外に存在している口径.50 などというものは、70Cm前後の銃身を多く使う。この手の銃は、わずか数発で銃腔クリーニングを実施しなければとても精度が維持できない。口径が大きく、パワーアップするほどに、銃身クリーニングは頻繁に行う必要がある。
  あなた自身の弾道を持て
ポンプ銃の扱いの中で、この形式の良いところはポンプ回数によって、その撃つ距離を調節できると言われるハンターがいる。確かに、その方法で獲れることもあったであろう。
しかし、より安定した弾道を求めているハンターにとっては大変不合理な考えである。
 確かに必要もない至近距離では、この条件で獲れるはずである。問題は長距離である。ハンティングとは、考えもしなかった事態に陥ることもしばしばであり、この条件を克服することもハンティングの醍醐味となるが、その場合には、いつでも同じ弾道をイメージしながら事態に対峙しない限り、確実性の高い狙撃は生まれないのである。あまり煩雑な思考はかえって邪魔となり、より良い精度は望めなくなる。
 プリチャージ銃のように、もともと精度を保証されている機構を持ち備えている銃でも同じことが言える。ある記事に「スコープレティクルの目盛りを利用して、着弾が下降した弾道に対処すればよい」と記されていたが、空気充填のできない状況ならいざ知らず、この方法を習慣的にとることはプリチャージ銃の一番の特性を省いてしまうことになる。
 プリチャージ銃の可能発射弾数とは、その距離における下降変動のない範囲を示すはずであり、それを超越してまで訓練するより、自身の持っている固有の弾道をしっかり頭にたたき込むことが先決である。
自身の弾道を理解しているハンターは決して他の弾道への浮気心は持たず、もっぱらその弾道にいかにして獲物と合致させるかを考える日々を送るのである。
 特に将来、遠射を夢見るハンターは、いつも同じ条件の良い弾道をいかに作り出すかに専念すべきであろう。このレベルになると、どの圧力、どの弾速が一番自身の狩猟に向いているか知らざるを得ないようになる。意外と多くのプリチャージ銃は200kg-cm2 以下の圧力、170kg-cm2 前後が精度良好の弾道となることが多いのである。
 良い弾道、つまり可能な限りフラットな低伸弾道で、そこそこのエネルギーを保った弾道、これを手中に納めたならば、あとはいかにして獲物の急所に弾をヒットさせるかである。
  弾道とバイタルゾーン
 バイタルゾーンとは、正照準のままで獲物の急所を狙い、それを許容し得る距離を意味する。射撃競技ではまったく縁のない、まさに狩猟だけに必要な言葉である。
 表では、視線から上1.5cm 、下1.5cm とした上下あわせて3cm の高さ範囲で伸びる、その距離を言う。つまり面倒な狙い越しを計算しなくてすむエリアであり、この範囲に終始した狙撃は最も効率の高い猟法となる。
 表においての弾道では50m までが、その人のバイタルゾーンとなる。もちろんそのハンターが狙う獲物によって、その急所のサイズは変化するので、バイタルゾーンもそのハンターが作り出す固有の弾道ということになる。
  銃身と弾の関係
装薬ライフルには薬室(チャンバー)と呼ばれる部屋がライフリングの手前に控えているが、空気銃にはこれが存在せず、直接ライフリングに指で押し込むピストン銃や、ボルト先端によって機械的に送り込まれるプリチャージ銃やポンプ銃がある。
 指で押し込む場合は、銃身軸線に沿って挿入しなくては精度に期待できないだろう。この挿入口は給弾口(ブリーチ)と呼んでいるが、本来は適度のボアアップを施したほうが無理なく挿入でき、より正確な挿入が実現するであろう。
 ポンプ銃やプリチャージ銃はボルトを介して機械的に行う方式であるが、これにも二種類の方式がある。一つはボルト先端の弾に触れる部分を細くしてある先細ボルト型は、深くえぐられた弾底部まで触れるようになっている。もう一つは、ボルト先端は細くなっておらず、ストレートボルト型であり、弾の一番手前の弾尾にあるスカート周囲全面に接触するようになっており、当然、空圧が通るようパイプ状となっている。
 各社の製品には微妙な違いがあるが、そのほとんどが装薬銃ほどの配慮が見られないことは残念である。
  加工技術の新傾向
世界中でも空気銃生産はイギリスにほとんど集中しており、世界の空気銃の老舗のような期待感があるが、われわれ日本から見て感じるほどのものは意外とない。それは、あくまでも仕事の範囲から脱してまでの思考は、今やないということである。仕事であるから当たり前なのだが、昔、耳にしたクラフトマンシップの本流からは遥かに反れて、生産性重視型になっている。
 生産工程上と売りやすさを重視したあまり、軽薄とも思える加工技術や過度な小型化と軽量化が進み、それにともなう配慮に欠けている点が目立ち、それほどの高級銃ではないはずなのに、ストックをやたらと高級化して、目立ちやすくする傾向が強いようである。
 そこへいくと、ドイツ製の本流をなすピストン銃は、価格、品格を適度なところでおさえているところは、さすがと言いたくなってしまう。
 われわれハンターがいつも銃に対して期待と不安をいだく事項は精度についてであるが、現在の銃身における重要ポイントに、銃口(マズル・クラウン)の切断角度が11度が最も精度が良いとされる説がある。それが、どのような条件のとき良いのかは、定かではないが、弾が銃口を離れる瞬間は弾の弾道を左右することは確かであろう。
また、銃身の製作を考えるときは、弾の存在を十分に意識しながら銃身製作にのぞむのが、本来の製作工程であろう。しかし、これだけの弾種が市場に溢れているいると、銃身はコールドハンマーで大量生産した既製品に依存することが多くなるのは、自然の成り行きであろう。つまり、本来は弾に相性よい銃身を製作するのではなく、銃身を完成させて、これに弾を選別、適合をさせる段取りなのである。
 コールドハンマーとは、冷鍛法とも呼ばれ、パイプ状の銃身材にライフリングされたオス型を挿入し、それをこの機械に挿入し、根本を高圧でショックを与えながら銃身材を引き抜くのである。引き抜く際にオス型のライフリングが、その型どおりに型押しされながら、引き抜かれるのである。世界に二種類の型式が存在し、世界中の銃身のほとんどを、この二種類のどちらかで作られていることになる。
現在、空気銃の銃身は、ワルサーの既製品がほとんどである。空気銃の銃身はほとんどが柔らかいスチール製であり、数千発撃つと弾の相性は当然変わってくるのである。
 どの弾がどの銃身に相性が良く、よく当たるのか、答えるのは大変困難な問題である。
ただ言えることは、ほとんど同じ機械で生産された銃身であれば、よく合う確率が高いか低いかは、傾向として出てくるのである。精度がある程度信頼されている数種の弾は、確かにその確率が高いのである。しかし、その銃にとっては、他の弾のほうが微妙に良い場合も十分あるのである。
 世界的に有名な弾には、BC値(空気抵抗値のような弾道の善し悪しをある程度決められる係数)がコンピューターソフト上にすでに存在していることは、その裏付けになるだろう。
  銃身と弾の相性
世界には数種の優秀な弾がある。優秀な弾と言うのは、どのような弾なのであろうか。それは、そのハンターにとって、また、その銃にとっての優秀な弾であることが基本となるであろう。つまり、他人が使っても精度が出ずに使いたくない弾でも、そのハンターにとっては限りなく頼りになる弾はあり得る。一つは、その銃身に相性がよく、ハンター自身の猟法にも適合する点があげられる。
 例えば、接近術の高度なハンターには、それほどの精度はいらないが、破壊力を重視したものがよい場合がある。狩猟とは、当てる以上に獲れることが目的と心得ているハンターである。まさにハンターらしいハンターである。逆に精度どおり獲物に着弾しなければ面白くないハンターには、精度優先の弾を選ぶことになる。
 ほかには、一般的によく当たる弾がある。
それはほとんどの銃に相性がよく、パンチ力にもそれほどの不満は起きない弾である。コーディアック、プレミア、H&Nなどがそれにあたる代表格だと思う。
 ハンターのタイプは様々であるが、その中で弾についての意識では、いくつかのタイプに分かれると思う。
 一つは、弾には無頓着に徹しているタイプ。
 一つは、弾はそのとき所持している中から一番適している弾で実猟をしているタイプ。
 もう一つは、何がなんでも自分が信じた弾でなくては、その日の狩猟はやりたくないタイプ。
 そのほかのタイプもあるだろうが、いずれにしても獲物に当てて回収できなければ狩猟は成り立たないので、ある程度の精度がない限りエアハンターの体裁は保たれないことも事実である。願わくば、ハンター諸氏には弾選びを習慣づけることに期待したいものである。
 ベンチレスト射撃による適合弾の選びかた
 弾選びの射撃では、落ち着いて射撃できる環境がぜひとも必要であろう。それには射撃場が最適の環境であることは言うまでもない。この作業での一連の流れは、ベンチレスト射撃の環境をつくることになる。
 ベンチレスト射撃競技というジャンルが装薬ライフルの世界に存在しているが、この競技の目的は、射手とライフルが生み出し得る集弾性を競うことである。あくまでも競技である以上、勝つことが最大の目標であり、微妙なテクニックを駆使しての競技なので、ここで求められる主旨とは少々の違いがある。 そして、競技の場合は、弾の選出がすでに完了していることが条件で行う行為であるのに対して任意のベンチレスト射撃は、その前段階である、弾自身の集弾性を求める行為である。アクセサリー類の充実を考えておくと、一連の操作がよどみなく進行していく。
 ベンチレスト射撃の準備
 まず、数種のペレットを受けて入れておける皿をテーブル上に邪魔にならない場所に配置しておく。次に肘をついてもソフトに肘を受けてくれるクッションシートを要所に敷いておく。寒いときなどは痩せ我慢せずに手袋や衣服に配慮しよう。寒さで震えがきたならば、精密射撃はとりやめにすべきである。
 パームレストを設置し、銃にとって一番自然で、安定のよいポジションを探しだす。意外とこの操作が大切であり、面倒がって、いい加減にことを運ぶと、すべての操作によどみをつくり、その日の重要課題のほとんどを無意味なものにしてしまうので、十分留意してもらいたい。
 パームレストで、先台のどの位置を支持点とするか、数種のポジションでの射撃で、その精度と、着弾点が違ってくることに気づくはずである。あまり違いがはなはだしい場合は、専門家に相談すべきである。
 先台の支持ポジションによって、着弾点が変化することは大変深刻な問題であり、精密射撃の意味自体が軽薄になってしまうこともあり得るのである。
 ほとんどの原因は、銃身とシリンダーが固定してあり、さらにシリンダーと先台の木部と接触していることによるものである。この原因の要素は、レシーバーブロックから伸びている銃身に、下部で受けている圧力は銃身に伝わり、長い銃身がたわむことで起きるのである。
 従って、この問題を解消するには、ストックの剛性を増す方策と、シリンダーに接触している先台部分を削り込み、シリンダーと先台を切り離す、フリーフローティングにする方策がある。
 据銃は、まず両腕の肘の位置をさぐるように、無理のないポジションをきめる。右利きの場合は、上から見たとき、両肩の線は標的とは並行ではなく、少し右にねじり、下半身もそれに連動して自然に無理をしない程度に、少々斜めにポジションをとることで、通常の形態になろう。
 先台をパームレストで支持し、銃把を自然に握り、左手は右肘の付け根の固定に使えば、精神的な余裕の得られる構え方になる。
 ライフルマンによっては、微妙に違う形態もあろうが、要は、ほとんどの時間は楽な自然に近い体型を求め、緊張は一瞬にだけ求められるための姿勢と環境づくりである。そう思いながら行えば、自ずとわかってくる行為であろう。
 射撃していて、肩がこったり、筋肉の痛みなどが出るような姿勢では、いくら基本であっても、その人には適していない姿勢であることは明白である。
 適合弾を選ぶのに、大変な横道にそれたように感じるかもしれないが、このくらいの内容をもって実行しなければ、本来の目的は、達成できないくらい、適合弾選びは慎重であるべき仕事なのである。スコープ調整などは、これに比べれば簡単なものである。また、このような配慮が習慣づけば、その後に幾度となく訪れる着弾調整は、非常に楽にできるようになることは必至である。
 射撃環境が整ったならば、撃ってみることになるが、その前に、多くの弾の中に含まれている不良弾の摘出は、弾種によっては必要になってくる。まず重量の違うもの。形状に変形が見られるものなどを摘出してから始めたほうがよいだろう。しかし、この仕事は、前もって家で済ましておくべきことである。
 試射計画 標的紙は大きめのもを用意し、各黒点に番号をつけておき、標的紙上で弾の銘柄、弾速を後で整理にできるように整理しておくことである。つまり、発射する前に、試射計画を明確にしておくのである。弾の銘柄、発射弾数、弾速、休息時間といった具合に書き込んだ用紙を見ながら順次撃っていくのである。
 射撃要領 目的の黒点に向かって、撃ってみる。同じ銘柄、弾速で、5発を1ラウンドとすると、その1ラウンドごと銃にインターバル(休息時間)を与えたほうが、より正確なデータとなり得る。これは非常に大切な事項である。特に狩猟においては、銃が長いインターバル状態の末、突然発砲行為におよぶわけであるので、射撃条件も可能な限りそれに近い条件を再現したいのである。それと、銃自身もあまり続けざまに撃ち込んでいくと、機械的な物理条件に変化が起きていくのである。そして、射手自身の疲労回復も当然必要になる。
 プリチャージ銃の場合、圧力も一定にすべきであり、1ラウンドごと同じ圧力に回復して行うべきである。圧力=弾速、(高圧になるほど弾速は上がるとは限らない)。
 銃腔クリーニングを実施しよう。ハイパワーの場合は1ラウンドごと、またはいつも習慣的にやっている頻度で実施する。
 1発ごと慎重に撃ち、明らかに射撃ミスの弾痕については、どの弾痕かメモしておく。
各ラウンド、弾種、弾速などにより、その集弾サイズ(C.T.C. 弾芯間距離)を分析していくことで、どの弾種が、どの弾速域に適しているか、不適弾はどの銘柄かを分析することになるが、1日では結論を出せないことは意外と多いものである。
 射撃距離は、10m から順次行い、最後には、50m までを網羅すれば、大変充実した試射となろう。しかし、それにかかる時間は、相当なものとなることを覚悟すべきである。
 スコープ倍率は、10倍以上の変倍式が妥当である。4倍程度の倍率で、これほどの仕事には自ずと無理があり、4倍で行う距離は、30m が限界となろう。
 そして、空気銃用スコープをぜひ使用すべきである。このスコープに装備されているフロントサイトで、その距離に対応すれば、少々の覗き位置のずれも解消できるのである。特に50m では必須条件である。覗くたびに疲労が蓄積していき、覗く視線のずれは起きていくものである。
 ペレサイザーの活用
 弾自身の問題を何とか修正して、使える弾に変貌させようとする道具がある。それは、弾の周囲を少々削り落として、その目的に近づけようとする道具である。ペレサイザーと言い、口径ごとにいくつかのダイス(刃)を擁しており、そのサイズを選定してから、ペレサイザーにペレットを通す。少々の抵抗で通過したペレットは、そのダイスサイズになる。この削り取る道具に対して、スカートを拡大する道具もある。
 数年前に様々なテストを試みたが、もともと当たる弾を習慣的に使用しているせいか、それほどの効果は認められなかった。
 なお、集弾テスト表を参考に、自身で使いやすく変更してみよう。
鉛弾から銅弾への考察 
 数年前、海外で鉛散弾がカモに対して相当の被害があることを知ってからというもの、わが国でもあわてて調査した結果がワシ類の被害報告であった。
 ライフルに遅れてスラッグも徐々にその規制の網がかけられていくが、その効果はともかくとして、空気銃で銅弾への移行は技術的に可能なのだろうか。代替材と経済的な面はクリアしたとしても、実際の使用に耐えられる可能性があるのだろうか。
 おそらく導入期には相当なダメージがあり、業界では混乱が予想される。これを避けるためには適度な考察期間が必要なことは確かであるが、果たして、この日本国が空気銃ごときにそのような配慮ができるのか。また空気銃への見識と造詣を持とうとするであろうか。私はその部分が一番の心配事である。
 第二の技術的な可能性は、ある一定の必要猶予期間が確保されれば可能性はあると考えている。だだし、鉛を銅に替えて生産できればという、単純なレベルの話ではとうてい成功の可能性は皆無となる。確かに通常考える範囲はその程度が関の山であろうが、この問題だけはそうはいかない。
 第一の難関は、装薬ライフルのようにいきなり銅製の弾を撃とうと給弾しようとしても、エアライフルの場合は銃身のライフリングに食い込まないのである。構造的に給弾口の中に収まったとしても、さらに最悪な事態が待っている。銃身内停弾、それも装薬ライフル並みの抵抗をもっての停弾である。つまり銅そのままでは堅過ぎて抵抗が高過ぎるわけである。この問題を回避するには、まったく新たな設計から立ち上げない限り、まともな弾は日の目を見ないであろう。
 今現在の弾の形状では抵抗が大き過ぎるので、圧力漏れしないレベルでの、最小の摩擦抵抗設計が必要である。どうせ新たな設計であるならば、ライフリングとの接触点を潤滑性の高い材質で弾の後部を薄い皮膜で覆うことがよいと思う。ただし、その質量の何割かは失われるので、これを取り返すためには弾の全長を増加するしか方法はない。
 なお、これと同じ構造の弾は、すでに海外で販売されている。そしてサボットスラッグの形態も一つの方法であり、これも海外に存在している。これらの弾の良いところは、銃身が金属に接触しないため銃身がいつも清潔に同じ状態で保ちやすいことである。
 平成14年度に入手した情報では、H&N が銅弾を開発したということである。形状はバラクーダの代替版のようである。このような時期にメーカーとしての良心を表明したい気持ちはわかるが、造詣の希薄なわが国が安易なごり押しをしなければよいがと、かえって心配の種のような気がしている。