空気銃
鉄砲伝来の科学史的意義

それは16世紀に始まった。鉄砲を国内にもたらしたのはポルトガル船であったが、初めて鉄砲が上陸した地点は、通常、種子島とされている。また別の資料には種子島を出航したポルトガル船が伊豆に流れ着き、このとき初めて鉄砲が伝来されたという説もある。
 そして、もう一つの説には、倭寇が中国大陸から鉄砲をもたらしたということだがあるが、その証拠立てになる資料は少ない。
 種子島には多くの資料が残っているので、その当時の状況を資料を参考に話しを進めよう。
1600年代での日本国内は戦乱期であった。戦術においては、刀の生産が当時の台所事情に多くの恵みをもたらしていたが、種子島は日本刀を作るための環境には大変恵まれており、鉄鋼原料、刀鍛冶ともに傑出していた。
 日本人特有の勤勉さと器用さが大きな力となったことは言うまでもないが、精神構造にも大いに頷けるものがある。それは絶対的な君主制が各地の藩主によって統治され、その下で働く人々は、その制度を当然のこととして受け入れ、君主の意向にそうことが自身の生き甲斐としていた完全縦割りの社会であった。
 種子島に上陸した鉄砲は、当時の優れた刀鍛冶によりごく短期間でその体裁が一分の違いも見せずに完成した。いざ撃ってみると、アクションの一番後ろに付いている尾栓(びせん) が、その爆発によって吹き飛んでしまった。少々の間悩んだ末、そこにネジが仕込んであることを突き止め、完成に至っていく。
 日本にネジが伝来したのである。
 しかし、このネジがなくても他の構造でも十分成り立ったはずであるが、当時としては、そのままの複製に依存したのである。このときのネジの発見は、他の分野の構造物にも多大な効用を与えたことは確かである。
 刀鍛冶の技術は、焼き入れ技術がすべてと言っても過言ではないであろう。この技術が、発砲の際に起きる強大な力を受け止めるには、なくてはならない要素であった。鉄砲という概念すら持たない者にとっては、いくら複製したからといっても、それに耐えられる金属学的技術がなくては絵に描いた餅であったはずである。この銃身製作は、真っ直ぐな芯がねの棒を作り、この棒に鋼を巻き付けていったのである。おそらく当時の刀鍛冶からすると、銃身内部がどのような組み立て方を採用して、完成していたものかは、判断できない状況下で、自然発生的な感覚のなかで、当然の発想であったのであろう。
 この芯がねに鋼を巻き付ける方法は、ヨーロッパなどでの銃身生産技術におけるダマスカス製法と同じである。ダマスカスとは、積層構造の総称であるが、多くの製銃手法の中の、ごく一部の方法である。日本人がその製法を迷うことなく実行に移したのは、自らの鍛造技術に大きな自信を持っていたことは、言うまでもないことである。
 1600年代の海外事情は、ちょうど大航海時代であり、アメリカ大陸発見は、後の江戸幕府に強大な影響力を与えることになる。
 この鉄砲伝来を契機に一層激しい海外との交易が始まるが、いち早く鉄砲の価値を見い出したのは、織田信長であった。1573年頃、信長と国友鉄砲鍛冶との出会いは、後の信長とその周辺諸国に多大な影響をおよぼしていき、日本が鉄砲王国となった記念すべき時代である。
 その頃の信長の勢力は、諸国の列強から見れば、それほど気になる存在ではなかった。それゆえ、大いなる野望を抱いていた信長にとっては、これほどの千載一遇の機会はなかったはずである。それからの日本は、世界でも有数の鉄砲王国に変貌していくのである。
後の歴史を追っていくと、このときのポルトガル人、刀鍛冶、信長が存在しなかったならば、徳川幕府や各藩の軍需力は弱小な装備を温存したままで、外国勢力と交渉せざるを得ず、後に来る日本にとっての幕末は、もっと早い時期に訪れ、それも悲惨な植民地化が待っていたことであろう。
 少々飛躍した考え方かも知れないが、少なくとも私は、そのときの日本は、鉄砲王国日本が存在していたからこそ、近代国家への礎を持ち得たと思っている。
 現在のわれわれの暮らしからは、遙かなる古の先達の歴史的意義も、長い歴史観とともに薄れていき、国家の何たるかを堂々と口にすることのない国民性は、いつかは滅んでいく運命なのかも知れない。
空気銃の起源と日本の気砲
空気銃の起源は、プリチャージ銃(prechargedpneumatic=省略PCP)がその源流となっており、古くは欧州からその源を発している。初めは射的の様な遊興的な使用目的につくられたが、ある限られた時代背景の中では対人向けの狙撃(Sniping) 用として脚光をあびた時代が有った。装薬銃がまだ先込め式で狙撃には適さず、空気銃の忍び寄り、静かに発射が可能な点が重宝されたのであろう。その最大の武器は発射煙と発射光が発生しない事が、敵からは発見されにくく、チャンスが有れば複数の標的を捕捉出来た事ある。
 しかしながら10発撃つのには恐らく1000
回以上のポンピングが必要であった筈である。そして空気銃1丁作るのには相当苦労したと思われる。その制作手間は、10丁の装薬銃を作る時間を要したであろう。
それゆえ、この頃の空気銃は、大変高級品だったはずである。
 この頃のプリチャージでも、現代と変わらないのはその音ある。空気銃の発砲音が小さいか、大きいかについては後述するが、意外と小さくないのである。当時、使われていた空気銃は、その使用目的に応じて、サイレンサーを習慣的に使っていたはずである。それにより、かなりな成果を誇っていたことは確かな事実であると、私は確信している。そしてスナイパー(狙撃手)の鉄則は、必ず生還することなのである。この重要な目的を果たさない限り、狙撃による習慣的反復攻撃は、あり得ない。狙撃手の輩出には、長い養成期間と費用がかかるのは現在も同様である。しかし、その後訪れる、精度と長距離をさらに求められる元込め式装薬時代に撃つっていく運命なのであるが、狙撃兵という言葉は、この時代に初めて使われた言葉であろう。目標は、重要な役割である士官や、砲手を主に狙い撃ちすることで、相手からは恐怖の対象とされていたことであろう。現在でも、一部辺境国家の特殊部隊の道具になっているようである。とにかく史家によると、空気銃は吹き矢が原点であったとも言われる。そして1940年頃(寛永年間)、オランダは将軍家に献上された「空砲」なるものがあったと伝えられ、わが国の空気銃の制作には少なからず影響を与えたようだ。
 一方、我が国と空気銃の接点ついては、にその歴史上に輝かしい一ページを担った人物がいる。
 国友一貫斉藤兵衛(1840)である。
 一貫斉は鉄砲鍛冶としての技術に抜きんでており、その頃に藩の受注を一手に引き受けていら彦根藩御用鍛治を退いて、彦根藩が幕府の許しなしに一貫斉起用に決断した歴史からも、当時の銃への重要性がうかがわれる。 その後、世にいいう彦根事件に発展していいく。この事件以来、一貫斉は江戸に移り、松平定信などの出会いに科学者としての道を歩むことになる。
 この頃(1620) に彼が傑出した鉄砲技術を公開するとともに、気砲(空気銃)が世に紹介されたが、本来、藤兵衛は将軍家の風砲。つまり風(空気)をもって弾丸を発射するという妙理n非常に興味を感じ、その試作に没頭していったが、その経験を積むに従い、その道具に、改良を加えた畜気方法を考えだし、連発可能な空気銃を完成している。
 一貫斉は、このほかに望遠鏡や万年筆なども手がけ、天体観測上で太陽の黒点観測は世界的にも、当時としては高い評価の対象である。彼の別名が、東洋のエジソンと呼ばれるのも頷ける。
  銃砲の種類とその要件。
銃砲の種類
銃砲刀剣類所持等取締法の規定では拳銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性を発射する機能を有する装薬銃砲、空気銃などに分類されている。
 拳銃とは、肩付けをせず、片手で保持して照準、発射可能な形態で、人への殺傷効果のあるように製造されたもの。
 小銃とは、一人で携帯して両手で保持し、肩付けして照準、発射できる形態で、ライフリングが施してあり、主として歩兵が戦闘用として適すよう製造されたもの。
 機関銃とは、引き金を引いている間は続けて弾丸が発射でき、短時間で多数発射し、戦闘用として製造され、口径が20mm未満のもの。 砲とは、口径20mm以上で、武器等製造法上口径により、小口径砲(20mm以上40mm以下)、中口径砲(40mmを超え90mm未満)、大口径(90mm以上)、迫撃砲に区分され、高射砲、対戦車砲など使用目的により区分される。
 猟銃とは、狩猟、標的射撃に適するように製造された散弾銃、ライフルを言い、製造目的、機能、他事情により小銃と区分される。
 他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲とは、拳銃、小銃、機関銃、砲、猟銃に該当しないが、人畜を殺傷する能力を持って、金属製弾丸を発射し得る機能の装薬銃すべてを含む。
 空気銃とは、スプリング式、ポンプ式、圧縮ガス式など、圧縮空気又は圧縮炭酸ガスなどの膨張力により金属性弾丸を発射できるもの。
  銃砲の要件
1 金属性弾丸を発射する機能を有すること。 イ、金属性弾丸とは、金属的性格を有する   ものであればよい。非金属性の物質で   あっても、金属と同程度の硬度、重量、   衝撃力を有するものであれば足りる。
 ロ、発射する機能を有するとは、現状のま   まで金属性弾丸を発射出来るものは勿   ろん、故障のため一時銃砲としての   機能に障害があっても、手入れ、修理   を施せば機能を回復するもの、あるい   はそれぞれ目的をもって製造されたもので   なくとも、小許の加工、改造により金   属性弾丸を発射可能となるものを包含   する。
ハ、装薬または圧縮空気、圧縮ガスを用い   るものであること。
2.人畜を殺傷することができる能力を有す  ること。
となっている。
  空気銃の種類
その仕組みと機能性
現代空気銃の各部名称

空気銃には、ガス銃、ポンプ銃、プリチャージ銃のように、圧搾空気を使うものと、一行程のピストンで、瞬時に空気を圧縮し弾を飛ばすピストン銃(スプリング銃)がある。前者は蓄気タンクを擁しており、バルブの解放によって弾を飛ばす。一方、ピストン銃はバルブはなく、急激なピストンの前進により、弾も銃腔を移動して、外に飛び出すのである。
ピストン銃は安価であるが、重たく、プリチャージ銃は高価であるが、軽い。

ポンプ銃
 ポンプ銃の仕組みは、ピストンで圧縮された空気を気室(チャンバー)の中に封じ込め、決まったポン        プ回数によって、固定された空気圧を蓄気し、バルブ開放により弾を発射するものである。
 ポンプ銃のほとんどはアンダーレバータイプであり、一部製品にはサイドレバータイプがある。写真で見ると、銃身の下にシリンダーが配置されており、このシリンダーが判断材料の決め手となる。 シリンダーの太さ、長さ、およびそれに付随したレバーの長さが大きく長いものがハイパワーに見合った設計になる。逆に短く小振りなものは、パワーより精度や取り回しに重点をおいた設計と一応考えよう。
 ここで注意が必要なのは、ハイパワータイプである。それは容積を増すための長く太いシリンダーは、それだけ体力が必要であり、必然的に豪腕の持ち主でなければ、かえって扱いにくくなる。最強のポンプ銃は国産ポンプ銃の2倍程度の容量を有しており、国産の半分のポンプ回数で同等のパワーを発揮する。
 国産のポンプ銃は、世界的にみるとハイパワータイプではなく、精度重視のタイプに属するが、世界的にみて決して劣る銃ではない。むしろ精度とパワーをバランスよく結集して作られた、誇り高い優秀なポンプ銃である。
 国内におけるポンプ銃の繁栄は、この点がハンターに受け入れられていたのかも知れない。
 このポンプ銃を構造的に改造したり、過剰なポンプ回数を実施しても決して長い付き合いができる道具とはなり得ない。
 物理的に作動する機械のほとんどは、一つの決まった法則の範囲でしか現実性はないのである。確かにごく希に一部のハンターが使いこなしているようであるが、あまりお勧めできない条件となる。ハンティングにおいては極端な体力を消耗してまで使う道具はバランスの悪い動作がどうしても伴ってくる。国産のポンプ銃は、その点、常識的におさまる手頃な銃であろう。
 給弾構造はほとんどが単発であるが、希に連発機構を備えたものがあり、それほどの思考をもって作られた製品は未だ存在しないようである。連発銃の主な原産国は中国である。 ピストン銃
 通常、スプリング銃と呼ばれているが、現在ではスプリングを使わず、代わりに気体を封入したガスラムタイプがあるためで、共通な構造箇所はピストンだけなので、ピストン式として表現する。
 この銃もアンダーおよびサイドレバータイプがあり、さらに銃身を折る中折れ式(Break Barrel)がある。海外では今だに根強い人気のある空気銃である。
 内部機構は、ピストンとシリンダーの組み合わせによってパワーを得るが、強力なスプリングまたは密閉式圧搾空気の反発を利用している。
 中折れ式は、銃身をレバーとし、サイドレバー式は、ピストンに連動するレバーが横に装備してある。アンダーレバー式は、銃下部にレバーを装備して、おのおのこのレバーを折ることにより、ピストンとスプリングを後退、圧縮する。
 現在のピストン銃での傾向は、レベルの高い高級銃ほど短い銃身を装備している。反対に旧式タイプほど細く長い銃身を装備していことことが比較的多いようである。
 ピストン銃はピストンのワンストロークだけの空気量で済ます希な極少空気量タイプなので、その音質のほとんどは機械的な音質に終始するので、結果として一番小さい音のタイプに属すことになる。
 銃身には注目すべきである。衝撃の大きいこの銃では、銃身の質量が最終的な精度に結びつく可能性を秘めており、高性能な銃のほとんどが太めの銃身を装備したり、インナーとアウターの各部品を複合した銃身まである。
 短い銃身の意味は、弾が銃腔内を短時間で通過することが有利な条件となる。特に衝撃の大きいタイプは、この考え方が主流となっており、ピストンクラウンがシリンダー底に激突する寸前に、弾は銃身から離脱することが、精度を維持する基本構造となる。従って、よほどの弾速を有していない限り、長い銃身はナンセンスになるわけである。
 このショックの大きな銃に安物のスコープをセット販売している場合が海外には多く見られるので注意が必要である。販売側の意図は、ユーザーの不勉強に乗じて、面倒なスコープ選択を省いているがごとくの言い回しで収益を確保したいのである。
 このタイプの衝撃に耐えられるスコープは安物には存在しないことを憶えておくことである。また、押しつけがましい販売方法には決してバランスのとれたセッティングはあり得ないと考えたほうが妥当であろう。思慮深い業者は決して押しつけはしないものである。
 ガス銃
 構造は、プリチャージ銃とまったく同じであり、違う点はパワーソースに炭酸ガスco2
を使うことである。
 チャンバーの圧力生産の仕組みは、撃つことにより、消費した分だけ炭酸ガスが気化してくれる仕組みになっている。プリチャージ銃は機械的に一定量の空気圧量を調整するのに対して、このガス銃はガスが気化することを利用した化学的反応による優れた方式なのである。しかるに反応が鈍る5℃以下では正常な反応が阻害され、生ガスが放出したり、気化によるバルブの凍結をきたし、ガス漏れになるのである。
 この事実を無視して発射すれば、どのようなガス銃でも同じ現象に見舞われるであろう。壊れたのではなく、使い方を知らないだけなのである。
このひ弱なガス銃の最大の長所は、プリチ
ャージ銃同様、連発機構が簡単に設計できる点である。
 海外には、それほどの高性能ガス銃はない。それはこの銃に対しての期待感が薄いことの証拠でもある。
 ヨーロッパにはほとんど存在しないが、アメリカの一部カスタムメーカーで高性能ガス銃がある。しかし、アメリカの一般的なガス銃は数十ドルの玩具に近いものがほとんどで、その多くの生産国は中国である。
プリチャージ銃
海外の専門家のあいだではPCP(pre charged pneumatic) という呼称で扱われている。この呼称の意味合いはニューマチック(Pneumatic) と呼ばれるスプレイガンや釘打ち機などの圧搾空気を利用した道具の構造的総称であり、本来ポンプ銃もこの仲間である。
 仕組みは、乾燥させた圧縮空気を、密閉されたシリンダータンクに封じ込め、墳気口付近のバルブシステムにより、この空気圧を一時停止してあり、引き金に連動しているハンマーでバルブを叩き、開放された空圧を弾に伝達する構造である。
 外見から見ると、ほとんどが銃身の下にポンプ銃のようなシリンダータンクを蓄気室として配置してある。一部の製品には大きな400ml のずんぐりとした太いタンクを装備したものがあり、比較的高価な銃となっている。
 この形式の最大な武器は、そのタンクの大きな容量にある。前者の細めのシリンダータイプの容量は、100~250m? 容量が大多数であ り、容姿には不満を残すが、性能的には後者の400m? ボトルにはとてま適わないであろう。
 容量が大きいということは多くの発射弾数が得られるということであり、精度を維持した状態での弾道を多く保持できるということになる。
構造的にはガス銃と同じであり、大きな作動部分はなく、精度、耐久性、エネルギー,デザイン性など、どこをとっても優等生である。しかし、高価なものが多くなる。
 最近圧、縮空気の供給に、手押しポンプを使う場合があるが、あくまでも一時的なものと考えたい。通常、親タンクとして使うダイビングタンクは、乾燥空気を充填することが、世界的な常識であるが、手押しポンプでは、大気中の水分を、銃シリンダータンク内に混入させることとなり、銃の基本的性能と安全性に疑問が残る。
 現に、われわれが銃を修理、改善のために分解してみると、シリンダータンク内にケーシングが見られ、ひどいものは腐食し始めているものさえ見られる。ガス銃ほどの圧力ならいざ知らず、200kg-uもの超高圧にさらされているものに対して、あまりにも無頓着な考え方である。
.22 ロングライフルとは、.22 のリムファイア実包を発射するライフルを指す。リムファイアとは、発火部品としての雷管(プライマー)を持たなくとも発射できる最小のライフルと考えていただきたい(もっと小さい口径で数倍のエネルギーを持つセンターファイア実包もある)。またリムファイアと表示すると、実包自身を指す場合と、ライフルを指す場合がある。
 .22 ロングライフルの主な用途は、スモールボア(Small Boa) 50m射撃競技と、小動物対象のハンティングになっている。ただし、日本では猟用に使用できない。
 この銃は一番エアライフルに近い条件であり、スコープのマウントベースは3/4 インチ幅(Vグルーブ)が共通して使うことができる。従って、リムファイア用スコープマウントはエアライフルにも使える。
 ただし、スコープはリムファイア用でも、エアライフルには使えないものが一部あるので注意が必要である。それは50m 以下の近距離でのパララックスが同調してくれないタイプであり、いくらフロントフォーカスが付いていても、50m 以上の距離でなくてはパララックスが起きて正確な射撃が難しいのである(詳しくはスコープの項を参照)。
 銃身のライフリングについてもエアライフルとほぼ同様のツイスト、つまりツイスト1−16インチ前後になっている。従って、スモールボア銃身のほとんどはエアライフルに使える。ちなみに、センターファイア(薬莢のセンターに雷管を装備する実包)を撃つライフルのツイストは1−10前後が多い。
  空気銃のツイストとライフリング
 ライフルツイストとは、(銃身内で弾丸が一回転するのに必要な長さである)エアライフルのほとんどは、1-16というツイストに統一されているのが現状である。これだけのエネルギー種が存在するのに、あまりにも一辺倒過ぎる考えである。
 装薬ライフルでは、当たり前に様々な数値のライフリングが存在するのに、空気銃に関しては、この程度で良いということなのであろうか。まったくナンセンスな話である。
 また、そのライフリング条数は、4.5mm には12条、他の大きな口径には8 条という具合に、口径の大きさによって、その条数を変えているのがほとんどであるが、条数が多いほうが良い効果をもたらすわけではなく、むしろ、その生産工程上の問題である。従って、口径.22 に12条を施したからと言っても、性能に生かせることにはならないのである。
 銃器にかかわる基本的な単位
銃器を扱ううえでの使用される単位は、長さをヤード、フート、インチ、マイルが使われ、重さになるとグレインからポンド、オンスを使い分けなくてはならず、メートル法に慣れている日本人には、大変厄介な単位表示である。
 ヤードは弾が飛ぶ距離を示し、フート(フィート)は弾の速度を秒当たりに換算している。インチは銃本体またはその各部分についての長さに使われている。従ってインチは弾の口径(キャリバー)を表す単位にも使われ、口径22を表すのに.22 インチとして表示している。つまり1/100 にして表しているのである。何ともややっこしい表現であり、主にアメリカがその使用を依然として誇示しているが、ヨーロッパ、特にドイツなどは、かなりメートルに切り替えてきている。
  空気銃の初速と存速
 空気銃の初速とは、銃口速度と同じと考えてよいであろう。つまり、銃口に近い位置で計測した弾の速度である。
 銃そのものの性格と性能を決定する、銃にとっては命に値するものであるが、その目的を達成するために必要な精度を維持することを条件にされることは、もちろんである。
 存速とは、各距離における弾速である。同じ形式の銃や、弾のデザイン、重さによって、その違いが現れる。
 存速は、初速より遥かに直接的で、具体性をおびた重要な要件である。それは、狩猟や射撃における到達すべき対象は、銃口の1m
や1.5mもの、極めて接近した位置での目的はほとんどなく、少なくとも数m から始まり、数十m におよぶ距離が日常の条件となっているからである。
 つまり、ターゲットまでの距離が伸びるほど弾速が下降していくので、その距離によってどのくらいの弾速(エネルギー)が残存しているかが、本来、知るべき数値なのである。それは弾種(銘柄)によってすさまじい違いが起きている。この事実は、ほとんどのハンターは知っていないようである。
 例えば、ダイアナ54型のピストン銃で、ダイラ(弾の銘柄)を20m の標的に撃ち込み、
次いで、同じ条件でコーディアックを撃ち込むと、なんと遥かに重たいコーディアックのほうが、上の位置に着弾するのである。ほとんどのハンターは、この事実を信じられないようであるが、事実である。
 上に着弾する弾は、それだけ優秀な弾の証であり、当然、BC値(空気抵抗値のような係数)も優れており、結果として弾速の減衰が少なく、各距離における弾速も速い。
 重たい弾だからと言って、必ずしも着弾は下になるとは限らないのである。逆から推察すれば、軽いくせに弾速の伸びが悪い弾が存在しているのである。もちろん、精度を維持しての結果であり、精度が悪い弾を比べても
何の意味も成さないのである。
 われわれは初速を一定の基準にしたがる。
 完成度の低い弾を使いざるを得ない場合、初速とはそれほどの基準とはなりきれず、ほんの目安ほどに考えたほうが妥当である。それゆえ口径別および銃種別に列記することは、あえて避けることにした。
 この要件で最も大切なことは、自身が所持している銃と弾が作り出す、各距離における存速を正確に把握することである。一般論をいくら聞いても、意外と自身には当てはまらないことは多いものである。
国産空気銃の推移
 わが国での空気銃猟の歴史はヨーロッパと比べると、そう長い歴史を辿っていることはなく、本格化したのは第二次世界大戦後である。もちろん、戦前もごく一部の人達により使用されていたことは確かであるが、この頃はまだ玩具の色彩が強く、本格的なものではなかった。
 戦後の復興期での銃産業は、その当時としては盛んになりつつある一つの産業であり、ユーザーとしても、蛋白源の供給には手っ取り早い道具でもあった。ある意味では一番楽しい、充実感のある空気銃猟だったと思われる。
 写真 「日本における戦後の空気銃」では、戦後日本に輸入された代表的メーカーと国産化された銃を列記したが、いずれの銃も輸入銃から何らかのヒントを得て製造されたことは拭いきれない、しかしながら、それがごく自然の成り行きであろう。
 次に写真の「現在、は生産されていない国産空気銃」を見ながら説明しよう。
 戦後の空気銃生産が盛んな時期から、数十年前まで生産していた銃を代表的なメーカー別に列記してある。この頃はスプリングピストン銃の全盛時代であり、特に初期には、ほとんどのメーカーはスプリングピストン銃が主な生産品目であった。しばらくしてポンプ式、ガス式と、その波紋は拡大していったようである。
 近代空気銃狩猟の導入に、戦陣を切ったのはポンプ銃であった。その卓越したパワーと精度によって、一層の空気銃ファンを増大させていったのである。
 主にアメリカ製のシェリダン社の製品に着目し、その製品より優れた空気銃を目指した結果、発射時の振動をおさえた機構が、高精度とハイパワーにつながり、見事世界一のポンプ銃となり、今もなお君臨して、空気銃の奥義をまっとうしているのである。
 しかしながら、各部分的な改良を数箇所残したままで、現在に至っているのは残念なことである。
国産空気銃の現況は、様々な社会的な変貌の影響により、衰退の一途を辿った結果が、今ここにある。
 現在、空気銃を生産者として創業しているところは、泣Vャープ・チバと豊和工業二社であったが、新たにカスタム・テクニクス社が参入を果たし、三社となった。
 これからの国内における動きは、あくまでも輸入銃に依存しながらの流通が主体になると考えるが、高価になった空気銃をどのように考え、取り扱うかで、この国における空気銃の推移に影響していくであろう。
ポンプ銃
泣Vャープ・チバ
  山梨県韮崎市韮崎町上ノ3675
         tel:055130-6257
1エースハンター
   

写真挿入

諸元:口径4.5o 5.0o 5.5o
エースハンター
写真挿入

諸元;口径4.5o 5.0o 5.5o
    全長990o 銃身長600o
 イノバ
写真挿入


 諸元:口径4.5o 5.0o 5.5o
  全長910o 銃身長 510o

(株)東京ライフルは昭和27年の操業、世界のエアライフル界に名を轟かせた「シャープ」開発者千葉謙介氏が平成13年5月に他界されたことで、社名を「泣Vャープチバ」
に変更して再発足、工作技術なども継承し、従来の製品群を生産している。 
 戦後の日本における空気銃の雄とまでなった輝かしい実績があるだけに、ポンプ銃の領域ではまだ根強いファンは多い。
 構造から検証すると、組み立ての復元性の悪い点は拭えないものの、その精度とパワーはまさに世界の雄である。
 いまだかってシェリンダンは、この性能には及んでいない。おそらくのれ以上資金と時間をかけても、それほどの期待を自国民が持っていないと判断していたのではないkと思われる。
 シャープ・チバでの弾速は5.5o でポンプ回数によっては14grの弾で700 フィート以上
可能、エネルギーは18ft-Ibsほどが通常の限界である。 ヨーロッパFAC(強力)な12ft-Ibs以上には国で定めた許可が必要となる銃の呼称に属する。つまり、強力な空気銃に入るわけである。そして故障に対しての即応性は高く、メンテナンス環境には定評がある。
 人によっては、このポンプ銃に惚れ込み、改良を施す場合が希にある。たとえ、その効果が微細でも、改造すべき箇所は、まずレシーバーブロックを新設し、そのまま銃身を包むか、ほとんどのプリチャージ銃が採用している形態、すなわち給弾口(プリチャージ)までを銃身とし、すの後ろをアクションとして分離する。
 他には銃身先端の止め物を外してフローティング銃身とするか、止め物の内壁にOリングを内包させて軟接合とするかである。
 ポンプ回数をできるだけ多くしたい場合の耐久性を考えてポンピングレバーの形状の変更、または熱処理した部品と交換する。
 銃身の交換も考えられ、軽量化または軽量化しながら銃身長を増加させる。もちろん、精度の改善できる範囲での改造でなくてはその価値はないだろう。
ガス銃
豊和工業株式会社
愛知県西春日井郡新川町須ケ口1900
Tel:052-408-1234
ホーワ55GDX ガス銃
   
       {銃写真}

 諸元:口径4.5mm、 5.5mm
全長982mm 銃身長532mm

 国内最大手の軍需ライフルメーカーである。技術的にもライフルでは世界レベルに達しており、そもそもこれだけのメーカーがガス銃などを製造していること自体が今となっては不思議である。
 このメーカーにより傑出されたホーワ55G ガス銃は、文句なしとは言わないまでも、間違いなく世界一の狩猟用ガス銃である。もっとも世界でも高レベルの仕事ができる技術と設備を持っているのだから当たり前のことである。
 いくつかの難しい時代背景を背負いながら
数十年前に私もガス銃を手がける機会があって今に至っているが、現在であったなら、決して日の目を見ることのない名銃であったことを考えると、奇跡のガス銃という表現がよいのかも知れない。
 それほどのクルミ材を使ったストックではないが、当時の日本にとっては最高のストックであり、今でも流麗なデザインは少しも見劣りすることはない。もちろん、構造的にも素晴らしく、何回組み立てし直しても、その再現性に変化は起きな。パワーは5.5mm で14gr.の弾を使い600フィート以上の弾速を維持できるガス銃は世界にはそれほど多くはない。
 様々な弾が輸入されている昨今にあっては、この銃に適した弾を選択できれば、かなりの性能アップが可能である。
 適合弾の選出手法の一つは、まず右側にある排弾口からワイヤーなどを使って何とか弾を一発入れ、テスト射撃をする。10mで弾同士が重なる精度が出たなら、完了である。今度は専門家に依頼して、その弾に合う給弾システムに改造してもらえば完成である。予算が許せばプリチャージ化も可能である。
 この銃で残念なのは口径に5.0mm がないことであり、5.0mm に銃身交換すれば, この銃は理想的な性能に近づくはずである。
 ガス銃は10ft-lbs前後のエネルギーであり、確かにひ弱な銃であるが、20m以内に近づけばキジバトはおろかキジやカモも獲れる精度を持っている。
 昔,シャープMINI-UD(ガス銃)、口径4.5mm を何とか直し、4ft-lbs までのパワーしかない状態でカラスに20mまで接近して3 羽即死させ、15mのカモも獲ったこともあった。手前みそになるが紛れもない事実であり、ネックショットなどの急所にヒットすれば、このような極めて小さなエネルギーでも精度さえ確保できれば国内の鳥であれば必ず獲れるのである。
またシャープ・チバの口径5.5mm UD-U は20発撃てた。
シャープ・チバ
  UD-U ガス銃 単発

写真挿入

諸元:口径4.5o 5.0o 5.5o
全長928o 銃身長530o
シャープ・チバ
MINI-UD ガス銃 単発
 
   写真挿入

 諸元:口径4.5o
全長815o 銃身長409o
空気銃猟はパワーではなく、精度で獲ることが最優先されるので、狩猟術を磨くことが最優先である。この銃の再現性の高いことは狩猟においても同様で、管理さえ徹底すれば、いつ撃っても着弾位置は変わらず、その安定性はポンプ銃も適わないであろう。このことがガス銃の最大の武器であることを知ったうえでの使用が条件となる。
 しかし、この銃を正確に理解していない限り、そのほとんどの手立てはかえって難しくなる場合が多く、そもそも扱っている銃砲店がきちっとした指導をしたうえでハンターに譲渡することを心がけてもらいたい。一昔前のような「この銃は故障の多い銃」などと、自らの研究心のないことを棚上げした状況が起きないようにしてもらいたいものである。
 当初の誤解の発端は、口径5.5mm で17発以上発射したことに原因が一番多い。そもそもガス銃とは狩猟では20発以上撃てばパワーは落ちていき、それ以上撃てば着弾は乱れていく銃なのである。これを理解しようともしないで、やみくもに発射を繰り返せば、どの銃でもそうなるのである。
 このような事態に陥ったハンターに「それでは、あなたは何発撃てると考えていましたか?」と聞くと、決まって「00発くらいは撃てると思った」などという答えが返ってくる。そもそもガス銃については「くらい」とか「思う」という不明瞭な考えはないのである。私の経験だと5.5mm、55Gの場合は17発が限界で、それ以上撃てば着弾と弾速は変化していき、獲れる獲物も獲りずらくなっていくのである。
3月7日検索

 プリチャージ銃
  CTC カスタムテクニクス
本社工場:愛知県豊橋市神野新田町ヲノ 割41-1 tel:0532-34-6121又は042-736-0
990
CTCブルパップバイパー

写真挿入

 諸元:口径4.5o5.0o5.5o6.35o
全長950o 銃身長600o (外観750o)
わが国始まって以来の初めての空気銃カスタムメーカーである。空気銃、特にプリチャージ銃に関しては、今までの製銃技術より高圧技術のほうが性能にとっては不可欠の要素となるが、CTCオーナーは、もともと高圧技術の専門家であり、また昔からのエキスパートエアハンターでもある。
 日本の空気銃界をどことなくひ弱にしている一つの泣き所は、そのメーカー、銃砲店関係者が空気銃の所持をしていないことがほとんどで、狩猟者登録に関しては皆無に等しいことである。
 CTCの出現により、より高度な要求にも対処可能となった。もちろん海外ブランド銃も販売しており、すべての製品を検証して、壊れやすい部分や精度に影響する箇所について改善してから手渡すシステムをとっている。メンテナンスを含めたその信頼性と指導力には定評がある。
  写真の銃はCTCの威信をかけて傑出した国産プリチャージ銃第一号である。価格は目が飛び出るほどの高価な銃であるが、その内容を知れば納得するハンターも必ずいるはずである。
 外観上75p、実寸60pの長い銃身を装備しても、全長はわずか93pに収まる優れものである。銃身はすべての銃身材から選べ、口径は合法範囲ですべての口径から選べる。銃身構造においてはケプラー銃身であり、バックプレッツシャー方式を主に採用している。
 エネルギーについては精度が維持できる限り、どのようにも可能である。
 表2 に各種の銃による弾道の違いを表したが、弾はコーディアック21grと少々重たい弾を使用しており、現実的な弾道かどうかはハンターの使用弾によって違いが起きる。ガス銃だけは無理な条件かも知れない。別にもう一本14grの軽量弾での弾道を追加添付してある。またゼロインについても表2によってそれぞれの適したゼロインにして表してある
  空気銃の口径別特性とパワー
 口径(Caliber) という呼称の本来の意味は長さを指す。例えば20口径と書くと20という長さ、距離を示すことになるので、われわれの使い道からすると、口径.22 とすれば直径が.22 インチ、すなわち口径の大きさを指すことになる。
 口径.177(4.5mm)
 .177とは0.177 インチのことである(以下の口径も同様)。一般的な狩猟用空気銃においては最小の口径である。世界中の空気銃をみても一番使用されている口径になるが、そのお国柄によって少々異なってくる。
 空気銃王国であるイギリスでは.177が最も多く使用されているかは定かではないが、日本より多いことは確かである。それは獲物の種類と空気銃がおかれている役割の位置づけによってその違いが生じている。欧米の一般的な社会的環境から推察すると.22 リムファイア(口径.22 装薬銃)が気軽に使用できるので、大口径ハイパワーの空気銃には期待する必要性がないのである。
 そして12ft-lbsフットポンド以上の空気銃はFAC 仕様と称して、特別な許可を必要としているために、どうしても小口径にして高速弾を撃つ空気銃が多くなる。つまり、上限を12ft-lbsとされた場合は、大口径の12ft-lbsと小口径の12ft-lbsとでは、その効果、使用勝手を考えると、相手がウサギや鳥類であれば小口径でも、その速い弾速のほうが遙かに有利に事が運ぶのである。小口径が多くなる原因には、銃自体の特性も影響してくる。
 ヨーロッパで今なお盛んに使用されているピストン銃は、特別強力なものでない限り、そのパワーに見合った口径を選ぶとすれば、やはり.177か.20 の小口径が主な使い道となる。
 わが国においての環境は.22 リムファイアーは狩猟には禁止されていることと、もともと厳しいその規制によって管理されているので、あえてパワーの規制は敷かれていないので.22(5.5mm)の割合が高くなっている。
口径.177の良いところは、精度が維持しやすいところである。その一つの要因は、それほどのクリーニングを実施しなくても、その精度は保ってくれることが比較的多いことである。また、小口径であるがゆえの低伸(低く伸びる)弾道は、一定距離までの狙い越しが比較的省略しやすいのである。
 この口径での銃種別のおおよそのエネルギーは、ガス銃で7ft-lbs 前後、ポンプ銃で12ft-lbs前後、ピストン銃で15ft-lbs前後、プリチャージ銃で20ft-lbs前後が、国内での通常エネルギーである。従ってこれ以上のハイパワーになると、その弾道特性は大きく変わってくる。
 例えば、ハイパワーに見合った重めの弾を使い、.22 に匹敵するエネルギーを絞り出せば、今までの.177の常識からは想像できないくらいな弾道になるのである。この分野は空気銃の世界ではかって経験したことのない領域である。
 今までの.177のパワーについての常識は、獲物のサイズ別にその口径を選んできたが、例えば.177で30ft-lbsのエネルギーになると、とてつもない弾道となり、バラクーダ弾では1150f/s 、音速を超えてしまうのである。
ここで注目することは、10Gr(グレイン)台の重めのバラクーダを使用してのハイスピードにある。
 ここまでくると獲物が鳥類である限り、それほどの選り好みをする必要はなく、低伸弾道はさらに加速し、その慣性力は口径.22 の30ft-lbsをも凌ぐ弾道に変貌するのである。
 口径.20(5.0mm)
.177と.22 の中間の位置にある口径であるが、昨今のハイパワー化に伴い、これからの空気銃猟に一番期待されるべき口径である。
 この口径の良いところは、弾速は.177に近く、エネルギーは.22 に近い、何とも都合の良い口径なのである。この減少は数値的な比較より、むしろ実際の射獲率での結果が物語っている。そしてキジバトもしくはそれ以下のサイズの獲物に対しても大きすぎるダメージとならない、汎用性の高い口径なのである。
 この口径のエネルギーはプリチャージ銃においては20ft-lbs前後の銃が多いようであるが、35ft-lbs前後のパワーにすればカモ撃ちなどには使いやすい弾道になるはずである。
 この口径の弱点は、弾種が極端に少ないと言われているが、バラクーダ、コーディアック、クロスマン、CTCスーパーマグなどのブランドに、重めの大変精度良好な弾があるので、それほどの心配はないはずである。
もっとこの口径を利用すべきである。
 口径.22(5.5mm)
昔から空気銃の大口径と称されている口径であるが、前世紀末に.25(6.35mm) が国内に登場して以来その地位が揺らぐかのような風潮が拭いきれない。しかし、この口径の不動の地位は揺らぐことはないはずである。それは第一に、弾種が最も多いことでは他の追随を許さないことと、口径の特性上、いろいろな弾種を撃てる楽しみも、空気銃の醍醐味の一つであるからである。
 銃の基本的性能には、第一に弾の集団性があげられるが、大きな弾を撃ち出すので弾速は低くなり、その弾道は大きく湾曲して使いにくい弾道となるかも知れないが、射距離や弾種を選別して狩猟自体の完成度を高めれば、それも大きな楽しみになり、空気銃の醍醐味に触れることになる。
 エネルギーは、プリチャージ銃においては70ft-lbsまで出しても高水準な集団性を得られる可能性はあるが、通常の仕様勝手のよい状態では40ft-lbsが上限と考えるべきである。
 この口径ともなると、パワーを増すほどその取り扱いが煩雑になってくる。確かに、これだけのサイズともなると、エネルギーは簡単に増強できるが、銃腔内に鉛の付着は顕著になり、クリーニングの習慣なしにはその精度は維持できない。初めはよく当たったが、数百発ほど撃ったら精度が気になってくるのも、この口径からが断然多いのである。
 そして1発当たりの空気消費量も極端に増えて、エネルギーによっては、50mでの精度を五百円玉に集弾するには、5 発以内に限定される場合がある。このクラスの作業になると、銃によっては一円玉の精度を維持できることもあるので、銃に依存するところは大きい。この精度を操作可能なのはプリチャージ銃であることが条件になるが、この細かな要素を駆使してなされる成果まさにプリチャージ銃の醍醐味である。
プリチャージ銃の項で詳しく説明しているが、要は当たる圧力領域を充填圧力と弾速および弾種の吟味によってなされるわけである。もちろんその弾速領域によって弾種の変更も当然起きる。
 CTCのVIPER や、Career707 などの韓国銃が持つパワー可変は、このときにその即応性が発揮されるのである。残念ながらヨーロッパ銃には、このレベルに耐えられる可変装備は見当たらない。
 口径.25(6.35mm)
数年前、本狩猟界社に紹介記事を書いてから、この口径の認識は国内を一巡したようであるが、少々勘違いされた状態で全国に普及してしまったのは残念である。口径が大きいだけでは、そう多くの狩猟シーンに耐えられるものではない。一部のベテランハンターには使えるため、それで獲ってしまうので、この口径は当然獲れる口径としての道を歩んで行ってしまうのである。
 たかだか30ft-lbsや40ft-lbs程度のエネルギーでは、その弾道は大きく湾曲し、50mの距離ともなると、僅か3〜4mの距離の差で、カモなどの大型ターゲットでも弾道修正を頻繁にしなくては、弾は急所に落ち着いてくれないのである。数m距離を見間違えば半矢になるのである。
 この条件でどうしても射獲率を得たければ、同じ距離で撃つか、どの距離にも対応するように弾道補正機構装備のスコープを駆使し、獲物までの距離を距離計によって把握する必要がある。距離計は、どのようなときにも使う意義は大きいが、特にこのような大きく湾曲した弾道の持ち主には必須条件となり、操作、アクセサリーの煩雑性からは逃れることはできなくなる。
弾種は.20 より少なくなり、その適合性は、より偶然性に頼る条件となる。これを打開するには、やはり弾速を50% またはそれ以上に上げる必要性があり、そのエネルギーは、もはや空気銃の概念がら遠くなっていく。
 初心者には決して勧められない口径である。
 しかし、遅くても重たい弾を撃ち出す気分は、他の口径にない魅力を持っていることも確かである。小口径のような跳弾はまったく陰を潜め、ターゲットにヒットしたときの着弾音と、はっきりした着弾手応えは、使いこなすハンターにとっては誇りにも通じる感触である。
 その他の口径
 国内の規定は8.0mm 以下となっているので、口径は.32 あたりまでが許容範囲になる。
 アメリカのあるカスタムメーカーでは口径.44まで扱っているいるが、国内では口径.30 を僅かに超える程度までを許可している。
 参考に、このメーカーのデータを見ると、最高200 ヤードまで習慣的に撃つその集弾性は、3 発で装薬ライフルと同等な結果を出す。
 驚くべき結果に思われるが、当然なことで、
弾道の安定とは、質量が高い(重い)ほど有利になる。そして弾底面積が大きいほど圧力を大きく受け、重い弾の割には、それほどの弾速は落ちない。ただし、それに見合った条件を満たしてのことである。その一つの条件は、3〜4発ごとに一回の徹底したクリーニングを実行することである。
 発射に必要な空気圧はさぞかし高い圧力が必要ではと考え勝ちだが、さにあらず、通常の200kg-?またはそれ以下なのである。
 ちなみに、そのエネルギーは数百ft-lbsに達する。その内容は、200gr のスラッグ弾を700f/sの弾速であり、計算上は200ft-lbs を少し超える。ここで着目すべき点は、意外と低い空圧で大きなエネルギーを生み出せるところである。やみくもに空圧をかけても無駄食いするだけで、精度が落ち、パワーにも結びつかないことを知っていただきたい。




ポンプ銃の魅力とポンピングのテクニック
 わが国が現在まで、これほどのポンプ銃王国に育った理由の大半は、その経費の安さと、周囲のハンターの大多数がポンプ銃所持者であり、潜在的な層の広さが、その道具に対しての信頼性に結びついたことの集大成であろう。
 逆側から、少々辛口にみれば、他の銃種に対して供給側のアプローチが鈍重であったことは否定出来ない。しかし、多くの先達とその末裔ともいえる現在のポンプ銃派は、その長い歴史の中から様々なエアハンターを生み出してきた。

ポンプ銃ファンの価値観
国内では極端に減少の一途を辿るハンター達、別項のスズメ猟のごとく、社会的な構造変化により、ごく限られた人達によって達成される醍醐味は、今流のプリチャージ銃では不向きと思われるほど、単発、小口径、小エネルギーの世界なのである。
 もちろん彼らは最低の射獲率をいつも自身の基準の中におさめ、それを達成するための最大の努力を惜しまない。スズメ猟の重要事項として、いつもハンターの心から離れずにいる農家との付き合い方も、スズメ猟の大きな楽しみとしているところなどは、まさに人としてのハンティングそのものであろう。
 人生の中で、空気銃に巡り合い、数年の鍛錬で猟そのものより、人とのかかわり方、付き合い方を学べたとしたならば、そのポンプ銃は生きた哲学をも生み出したことになるのである。これほどの役割を果たしてくれる道具はそう多くはない。
 ポンプ銃の優しさが人を導くのかも知れない。プリチャージ銃が盛んに使われるほど、その懐かしさ、優しさを大切に守っていきたいと願うポンプ銃ファンは多いことであろう。
 ポンプ銃は単発である。それゆえ弱い相手に対しては、ある意味で、フェアな行為と感じるハンターもいるようである。つまり、襲われる心配がない狩猟は、弱いもの相手の行為が否定できず、その悩みと後ろめたさにとっては、格好の道具なのである。
 単発、ポンピングと、プリチャージ銃からみれば玩具のような存在をどう生かすか。
 つまり、小さな力だからこそ、人の知恵と手間を必要としている道具であるがゆえ、そこには独特な価値観が存在しているのである。
 ポンプ銃の口径には、4.5mm、5.0mm、5.5mm の三種類がある。それぞれはっきりした個性を持ち合わせている。それはあくまでも上限エネルギーが限られている道具の宿命なのである。
プリチャージ銃であれば、たとえ4.5mm でも弾速を改善し、エネルギーを上げることが可能であり、4.5mm で5.5mm に匹敵する効果も、今では夢ではない。
 ポンプ銃においての4.5mm は、類い希なる小鳥撃ちの代表格である。しかし、この口径でも10回もしくは、それ以上のポンプ回数を確保できれば、キジやカモを獲ることもできるのである。そのためには相当の覚悟をもっての接近術を身につけなくてはなし得ないことなのである。
 従って、狩猟への徹底した精進が必須条件となり、熱心なハンターは、否応なしに一発必中に傾倒していくのである。その道は、真のライフルマン精神の一翼を担う内容が盛りだくさんであること必至である。われわれもポンプ銃で様々な狩猟感覚を伝授されてきた。ポンピングと給弾の時間には、長いと感じさせない狩猟感覚が自然と養われる。それは、それ以上早くできない、という条件の猟法を編み出さずにはおかない環境に自分がおかれている現実を噛みしめることで醸成される。
 ただし、年齢と体力に不安がある人には勧められる道具ではない。このことは供給側も心しなくてはならない。どうしても、この銃で猟をやりたい老ハンターには、4.5mm 、ポンピング3回でできるスズメ猟を勧める。
  正しいポンピング操作
ポンプ銃の宿命でもあるポンプ操作、この行為が大好きと言われる御仁はまずいないだろう。しかし、嫌いだからと言って、このポンピング操作を正しく行わなければ、すべての能率は悪化の一途を辿ることになる。
 正しいポンプ操作の目的は、正確な一定量をチャンバー内に蓄気することである。蓄気されるポンピングの一工程の様子を表現すると、次のようになる。
右利きの場合、まず右手でポンプレバーを持ち、ゆっくりとレバーを開いていく。その角度が90度を超えたときにシュッという吸気音がするはずである。この時点でワンストローク分の空気がこれから圧縮されるために、シリンダーに入ったことになる。
 ゆっくりとレバーを絞っていく。徐々に空気は圧縮されていき、その抵抗も少しずつ上がっていく。ピストン先端(クラウン)とシリンダー底まではまだ少しだけ距離が残っている。さらに押していく。やっとクラウンがシリンダー底に接触した。しかしレバーを握る指がまだシリンダーに接触していない。さらに押し切る。レバーを握っている指がシリンダーに触れた時点がワンストロークの完了である。
 これまでの操作を極端に早く行うことは厳禁である。それは吸気ポートから吸気される空気量が単位時間当たりにして、ある程度の時間がないと目いっぱい入らないのである。そうは言っても、ほんの一瞬の操作で終わる工程であり、写真のような形態をもって行う操作はいくら早くしても限界があり、それ以上の早さは無理である。従って逆に考えれば、この操作である限り極端な早さのポンピングとはならない。
 なんでもそうであるが、人がやってない奇妙な操作には、よほどの見識と体力がない限り、ほとんどの行為は間違った行為の烙印を押されることになる。
 さて、ポンピングをさらに重ねていこう。
これからが本題である。
 ポンピングの回を重ねるごとに、その圧縮行為に必要な力は大きくなっていく。ポンピング8 回の終了手前の工程の様子を説明しよう。
 この回数ともなると、初心者にとってはかなりきつい操作となる。ピストンクラウンが徐々にシリンダー底に近づいていく。まだチャンバーのバルブは開いてくれない(そのままポンピングレバーを離せば空気はまったく入らず元の7 回分にとどまる)。 さらにストンを押していくと、キュッと音がして、バルブ開放と同時に空気がチャンバーに挿入されていく手応えがわかる。さらに押していき、レバーを保持している指にシリンダーが触れた時点で完了である。

 ここで知っていただきたい肝心なことは、ポンピング回数を重ねるに従い、チャンバー内への空気挿入は難しくなっていくということである。それはチャンバー内の圧力が高くなっていけば、シリンダー側がそれ以上の空圧にならなければ、決して挿入されることはないのである。そのときのメカニックを細かく説明すると、次のとおりである。
回を重ねて高圧になっていくと、ピストンクラウンとシリンダー底との距離は、ほんの少しの間隙をもって空圧挿入の準備が整い、さらにシリンダー内を加圧することで初めてチャンバーのバルブが開き、挿入されることになる。チャンバーが高圧となるほど、その距離、間隙は少なくなるので、10回またはそれ以上の回数では、1 回についての圧力増加は比例的に減退していき、13回ではほんの数m速くなるだけである。またポンピング回数当たりの正確性も落ち込んでいく。
  ポンプ銃の弾速とバラツキ
 ポンプ銃の弾速については、それぞれ所持しているポンプ銃によって弾速は相当違ってくる。一例として口径.22、.21gr. 弾の弾速を明記したが、ポンプ銃は整備状況によって
弾速に当然差が出てしまう。ポンプ回数を増やすほどその差が生じ、一定圧入るべき圧力精度も落ちていき、毎回同じ回数でポンピングしているつもりでも、不慣れな高圧ポンピングでは、弾速も微妙なバラツキになってしまうのである。別項でポンプ回数は一定量であるべき主旨を執拗に述べている理由がここにある。
 いつも一定量に慣れていることは、そのポンピング操作精度が向上し、結果として安定した弾道を得ることになる。
 また、大きな作動部分を持っているポンプ銃は、撃つごとにその機械的効率は落ち込んでいく。例えば10回ポンプで、10発撃ったときの10発目の弾速と、1 発目の弾速は、明らかに1 発目のほうが速い弾速となる。
 この傾向は、整備状態が悪いほど顕著になるので、数十発撃ち込む射撃大会には、それなりの整備をしなくては、とても安定した弾道は得られない。また、この傾向は口径が大きくなるほど起こりやすくなるので、この点を考慮すると、初心者には小口径が妥当な選択となるであろう。
  ポンプ銃からプリチャージ銃へ
 21世紀の現在、われわれの環境はコンピューターを主軸とした生活環境が整いつつある。その中で銃器の発達はわれわれが使う範囲ではそう大きな変革はみられなかった。特に精度の点では、昔、樹立された精度と現在の精度の違いは狩猟という目的を考えると違いが目に見えてわかるほどではなく、大きな違いは精度の良い銃が手に入りやすくなった点である。
 昔でも精度が高い銃はあったが、一般庶民、特に戦後の日本人にとっては外国から来る輸入銃に手が届く人達は希に存在した程度であり、昭和半ばくらいから数社のポンプ銃が近代空気銃狩猟の担い手とななった。
 このポンプ銃の出現は確かにその精度を高め、能率良いハンティングへ導いたことは事実である。しかし、それと同時にポンプ銃以外の様式に対する関心が薄れていったことも事実である。世界的に見てもこれほどポンプ銃に偏り、依存している国も希な存在であった。
 20世紀末からプリチャージ銃がやっと国内にお目見えしたが、時すでに遅く、相当な金額を覚悟しない限り入手できないまでになっていた。つまり、もう数十年早くこの方式が当たり前に使われていたとしたならば、当然、国産品が生まれていたはずであった。  現在、このプリチャージ銃を数社で輸入しているが、願わくば輸入する立場の者と、銃砲店が惜しみない努力の下での販売に当たっていただきたいものである。
 このプリチャージ銃を使ってのハンティングは、研究すればするほど、その頼もしさ、ひいては楽しさに触れるチャンスが増大していく。そして少しずつその道のエキスパートも増えてゆくことであろう。その道の先にはプリチャージ銃に固執しないで様々な形態の空気銃を使いこなす人達も出現し、この世界が幅広いものとなっていきたいものである。
 プリチャージ銃のパワーと精度
 わが国のエアハンター界に衝撃的デビューを果たしたプリチャージ銃の一番の特徴は、その自在なパワーと精度、連発性にある。そのパワーシステムは、従来のガス銃とほとんど同じであるが、では, なぜあのようなハイパワーを生み出すことが可能なのだろうか。
 その一つは、炭酸ガスではなく、空気を使用していることが大きな違いである。空気は温度による影響はほとんどない。上限圧力は炭酸ガスの3倍ほどになる。そして可能な限り大きなタンクを擁している。プリチャージ銃にとって命に値するところが、この大きなタンク容量であり、基本的性能に大きく貢献している。
 例えば、100t の銃と200t のタンクを擁した銃では、200t の銃が倍以上の発射弾数が得られる。その逆の場合は半分以下、つまり比例計算とはいかず、大きいほど楽に安定性までも手中に収めてしまうのである。
 基本的には、他種の空気銃との精度差はないが、弾速の上限域の広さでは相当の差が起きる。
 弾速はポンプ銃と比べると、2〜4割増しになる。パワー、つまりエネルギーをft-lbs(フットポンド)で表示すると、ポンプ銃が20ftとすると、プリチャージ銃は40〜60ft-lbsまでを通常、上限域として維持できる。
 フットポンドの計算式は、弾速x弾速x弾のグレイン(gr)数÷450240となる。エネルギーは弾速の二乗に比例してくるので、弾速の増加は大変なパワーの増加になってくるのである。
 プリチャージ銃の精度について、世間でよく言われる言葉は「パワーが上がるほど、その精度は悪くなる」「音速を超えると精度に影響する」などがある。通常の常識域の範疇では、そうなっているようである。確かに、その弾速、エネルギーによっては、今までのままの環境下ではそのとおりであったかも知れない。
 パワーが上がると当然、機関部、銃身、銃床にその振動が影響してくる。しかし、ピストン銃の強力なパンチでも精度を小気味よく維持している銃は沢山ある。ましてプリチャージ銃の衝撃など、それに比べればものの数ではない。しかもプリチャージ銃の弾速はずば抜けており、あっという間に銃身腔内を弾は離脱しているのである。
 精度に対して影響しているとしたならば、その一つは、タンク内に充填されている圧力域の条件にある。いくつかのプリチャージメーカーの資料には、200kg/? の充填圧ではなく、170〜180kg/?前後の圧力を指定されていることがある。私の実験でも、この圧力領域が高精度の場合が多く、この資料と符合する。
 このことについて化学的専門家に計算してもらった結果、やはりこの圧力領域以上では、弾が銃腔内で弾底部に及ぼす圧力分布は決して均等とならず、結果として弾の変則的な動きを誘導して、銃腔内での弾の軸線が崩れ、不均衡な腔外(銃腔から弾が離脱した状態)弾道を描くことになる、と言われている。
 他の原因は、銃身先端の接合の方法や、弾の重さと形状がより影響しているはずであり、エネルギー以外でも影響している構造に、給弾口とマガジン軸線の食い違いがある。
 銃身先端の結合方法は、精度に関しての構造的重要性は非常に高いものを要している。その証拠に、ヨーロッパやアメリカに存在するカスタム銃のほとんどは、銃身とシリンダーを切り離したフリーフローティング方式を採用している。面倒な固定方式にして精度を保つより、いっそ切り離して、その問題から離脱しようとした方策である。
 しかし、狩猟という、どのような事態にも対応しなくてはならない煩雑な環境下で使用するには、あまりにも不安感を誘発する形式と感じるシーンが幾度となく訪れると、ハンターには、そのたびに不安がよぎり、自身の道具への信頼性がうすらいでゆきかねない。
 接合方式には、剛接合、つまりガッチリ固定してしまう方式と、軟接合、つまりゴム質などの適度に弾力性を有したもので柔らかく銃身を包み止める方式、半フローティング接合、つまり銃身径よりほんの少し大きめに開いた孔に銃身を通している方式がある。
 それぞれ狩猟銃であるがゆえの方策であろうが、私が一番信頼している方式は、軟接合である。銃身に適度なサイズのOリングを仕込む方式であり、フローティングと剛接の中間的存在である。巷で「よく当たる銃」と言われている新型銃なども、この方式を採用している場合が多いようである。
 ただ加工技術の問題として、給弾口(弾が収まるところで、装薬銃でいう薬室=チャンバー)の軸線と連発マガジンの軸線が食い違っていることがある。私には空気銃を玩具の序列に入れてしまっているとしか思えない加工技術に感じる。およそ工作機械で製作しているレベルとはまったくかけ離れているレベルである。
 この事実を、ある工作機械のプロに見せたところ、行程をまったく別の段取りの中で別々に製作したとしか考えられない。たとえ、そうであったとしても、当たり前の考え方で製作に携わっていれば、このような事態はあり得ない、との見解であった。この件については意外と多い事例があるのには驚きを隠し切れない。
 このような造りは、いくら良い適合弾でも、装填した時点で、当たらないように、弾をわざわざ加工しているようなものになってしまう。
  極限の精度をいかに生かすか
 銃の精度、つまり命中精度とひと口に言っても、実際の狩猟において、その効果が発揮できなくては、何の意味もない。従って、射撃場で得られた銃の潜在的精度は、どのような条件での精度なのかをハンター自ら分析、判断しなくては、猟に適した弾道を得られないということになる。
 特に遠射が必要なカモ撃ちなどは、その長い距離にも耐え得る弾道を探す必要がある。
 長距離ということは、風の影響をかなり受けるので射撃場での精度を50m においての集弾が25mmの最高水準のときに800 フィートと、35mmの少々精度を落としても900 フィートの速い弾速と果たしてどちらを優先すべきか、判断しなくてはならない。
 わずか精度10mmの違いで、弾速の速い900 フィートのほうを、または無風状態なので800 フィートで一番精度の良い弾道を採用するか、判断を迫られる。
 最高弾速で精度も最高水準であれば、一番好都合なのであるが、精度の大原則は簡単にはいかないのが現実である。そして、この原則の中には、何発までその精度を維持できる弾速なのかを調べなくてはならない。
 このハイレベルな考え方は、弾速、弾道を巧みに使いこなす技術であるが、射撃場で数十発撃っていくと、その弾速領域によって、微妙に変化していく精度が、そこに存在していることに気づく。この操作、判断がプリチャージ銃の醍醐味と言っても過言ではない。
 「この銃は、一回の充填で何発撃てまか?」と、ほとんどのハンターは聞きたがるが、本来の一発必中のエキスパートには、それほどの意味はなさないであろう。エキスパートにとっては、ポンプ銃でのポンピングから解放され、精度とパワーが確保されれば十分なのである。彼らが常に気にするところは、最高の精度とエネルギーで、何発確保できるかが、最大の関心事である。その結果3〜5発が厳選された領域となることが多い。
 それが「5 発確保されれば最高」と答えるハンター、または「3 発」と答えるハンターもいる。この人達は、最もハイスピードな弾道を手中にできる限られたハンター達である。
 彼らのように、極限の有効発射弾数で獲物と対峙するハンターは、極限の精度を使える証なのである。やたらと発射弾数を気にするハンターは遠射向きではなく、その領域では初心者なのである。
ほとんどのハンターは、1回空気充填したなら、数十発撃たなくては済まない。ものぐさハンターなのである。
 速射とは、多くの発射弾数で獲れる代物ではない。ここで言う速射とは、50m 以上を指し、その多くは70m 前後である。
 弾の重さと制作精度については、未だ未開発な部分を残しているが、ただ言えることは、一定以上の弾速域に達した場合は、その環境に合致した重さは絶対条件である。例えば、口径.22 では、42ft-lbsまではバラクーダ系の21gr弾で、何とかその精度を維持する可能性を秘めているが、それ以上の弾速となると、とても刃が立たなくなってくる場合が多い。45ft-lbs以上には30% ほど重たい弾が適合弾となる。この重たい弾では、100mでの集弾性は、3〜4pも夢ではない。 弾速が速いということは、風への対抗手段に十分つながり、そして長距離射撃への架け橋となる。
 以前、ある50m 射撃場で、70歳の方が、めっぽうハイパワーな銃を撃っていた。その方はスコープ調整は愚か、撃ち方も、見ている私には心許ない感じだった。彼はやっと調整を完了して、50m に向かって撃ち出した。
 その結果を見て、私は唖然としてしまった。なんと2p ほどの範囲に5発が集弾しているのである。本当に失礼な言い方であるが、これほどの人がやすやすと精度を維持できるのは、いったい何であるのか。また、われわれが様々なテストを繰り返してきたその意味さえも、空虚に思える大事件であった。
 この銃の口径は.20(5mm)、弾速950 フィート、弾の重量25Grの超重量弾であった。弾速が速いということは、その人の技量までもカバーできるのかと、思わず考えさせられてしまった一シーンである。その条件、環境によっては、かなりの弾速でも精度は維持できるのである。空気銃の世界は、一様な考え方の範囲だけにとどまっていないのである。それからと言うもの、われわれの探求はますます深みにはまっていった。
           
  プリチャージ銃の弾道
銃への充填圧力が高いほどエネルギーが増大していくと勘違いしている人が多いのも、この銃の特筆すべきことである。
 力学的な考察からすればそうなるが、銃という限られた道具の範疇で効率を考えた範囲内で使うにはそうはいかない。空気銃で、口径.40 またはそれ以上の強大なエネルギーを絞り出す銃でさえも充填圧力180kg 前後で仕事を達成させてくれるのである。
弾速の増速と減速の原理
通常40ft-lbs以内のエネルギーの銃の初弾は、最高弾速にはなっていない。撃つたびに徐々に弾速は微妙に増速していき、その頂点に達するのはエネルギーと設計のセッティングによって異なるが、10〜20発目が多く、以下、徐々に減速していく。
 なぜこのような現象が起きるのか説明しよう。まず銃に満タン分の200kg を充填する。引き金を落とすと、ハンマースプリングの反発によりハンマーがバルブを叩いて圧搾空気
を一定量解放し、弾に圧力が伝わっていく。
 この一発の一連のアクションの中に、その理由が隠されている。ハンマーの慣性力のエネルギーとバルブ越しに蓄気されている圧力エネルギーの釣り合いの下に発射エネルギーは決まってしまうので、充填したばかりの200kg に初めはハンマーのほうが負けてしまう。必然的に弾丸に及ぼすエネルギーもそれなりのエネルギーしか与えられない結果となるわけである。
 撃つ回数が増えていくことで充填圧力は低下していき、反対にハンマーの圧力が勝っていき、多くの圧力が弾丸に供給できるようになっていく。弾速の頂点を過ぎると、もはやハンマーが勝っていても蓄気圧力の低下が進み、弾速は落ちていくばかりとなる。
 各メーカーが一番苦心するのはこの単純と思える構造に多くが潜んでいる。おそらく単純だから難しいのであろう。
 図を見ながら説明すると、まずシリンダータンクと呼んでいる空気を溜める部屋に200kg-? という超高圧空気が蓄えられ、この空圧を一手に引き受けて、空圧を止めているのがバルブシャフトである。このバルブ形状は高圧用と低圧用とに自ずと使い分けされているはずである。
 高圧用は可能な限りバルブシート面にかかる圧力を低く抑えなければならない宿命をもっている。それはより多くの空圧を弾に供給しなければならないからである。そのためには必然的に、シート面とは線に近いシールの密閉構造となる。それはハンマースプリングとハンマーウエートの慣性力には限界があり、やたら大きなものを設計しても、かえって効率が悪くなる。
 低圧用は、その点それほどの難しさはなく、広い面当たりによって耐久性も良く、空気漏れにも有利な構造となる。
 スプリングによって前進したハンマーウエートがバルブ先端を叩くと、その慣性力によってバルブシャフトが後退して、空圧が一気に噴気ポートを介して銃身に留まっていた弾丸を押していき、一工程が完了する。
 この一連の動きの中で、噴気ポートの手前にバルブシャフトの周囲を割と広めにとった小さなスペースがあり、この大きさにより、そのユニットの性格が変わる可能性がある。
 噴気ポートの大きさも効率の点で影響し、あまり大きくすると、弾にかかる圧力が急激過ぎて弾の移動に障害をもたらす。いずれにしても効率良く弾速を上げ、同時に精度も考えながらの設計になる。
 この弾速の変化する様子をグラフ化するとその銃の性格がひと目で判定できる。弾速の頂点までが多くの発射弾数が得られ、頂点過ぎて出発点までの弾速に戻るまでの発射弾数が多く、このグラフ曲線の上下の差が小さいほど使いやすく、安定した弾道の評価となる。
 速い弾速になるに従いフラットな曲線を描き、同じ弾速で大口径になるに従い、このグラフは不利な形に移行していく。
 45ft-lbsあたりから、このグラフ曲線はなくなり、発射するたびに初めから弾速は低下の一途を辿る。つまり、初弾からフルパワーで撃つことになるが、有効発射弾数 (ある距離における着弾の下降を見ない範囲での発射弾数)は極端に減少する。
この有効発射弾数が一番優れている口径は一般的には小口径であり、エネルギーでの見方でも同じ結果である。同じ口径で重たい弾を使っても、基本的にはエネルギーは同等となる。つまり同じ銃を使って軽い弾と、重たい弾のどちらを用いても、そのエネルギーはほとんど同じ値となるが、どちらかと言うと重たいほうのエネルギーに少々の増加が見られる。 しかし、重たい弾のほうが良いとは一概には言えない。むしろ重たい弾の弾道は急激なパワーダウンの傾向があり、ある距離からは軽い弾のほうが残存エネルギーが高くなる場合がある。
 口径の違いによってもエネルギーの逆転が見られる。口径6.35mmは40mくらいから5mm に逆転されてしまう。カモ猟などに熱心なハンターには、この大きな口径がいかにも頼もしく感じられるのであろう。しかし、大きく湾曲したその弾道は、数mの距離判断を間違えれば獲物の急所にヒットしないだろう。ただ、この口径をいつまでも愛用しているということは、この口径で獲物が獲れている証であり、使いこなしている証拠である。
 われわれはどうしても数字で判断したがるが、意外と違うところに真実があるのかも知れない。
 有害鳥駆除でカラスを狙撃すると、場合によってはかなりの遠射になるが、ヒットしたときの回収率が意外と高いことがある。エネルギーがかなり低いのに獲れる理由の一つは、速い弾速で生体を貫通するよりは、重たい、遅い弾道のほうが貫通せず、すべてのエネルギーをその生体で消費したことになる。また瞬間的なショックより、遅くドスンと腹に響くような衝撃のほうが、場合によっては効き目があることは確かである。ガス銃で30mのキジを即死させる事実も、まさにこの理由だと考える。
 半矢となったカラスを近射で何発も撃ち込んだ苦い思い出もある。アドレナリンが噴出しているからなのだろうか、ほとほと嫌気がさしてしまったほどである。
 ハイパワーには、それなりの思考を持って対処しない限り、やたらに危険性ばかり増加してしまう可能性もある。しかし、あまりローパワーでもかえって困難なことになる場合もある。この辺の考察を間違えると、自分の狩猟には不似合いな道具となり、結果として使いづらい銃となってしまう。
2.各種弾道の例
(使用弾:すべてコーディアック)
 プリチャージ銃の各種弾道については、カラー・ページで紹介しているが、ここでは解説の補充をかねて各種弾道の特徴などに触れてみよう(カラー・ページの各種弾道図参照)。
表−A 弾速を900f/sゼロインを30m としたときの弾道を表している。
さすがに900f/sともなると、30m ゼロインでは手前の弾道はほとんど上昇せず、また口径の小さい弾道のほうが着弾が下になることは奇異に感ずるが、コーディアックBC値の優れた一面でもあり、ある弾速を過ぎるとこの現象が顕著に現れる。ただ、これほどの弾速では、もう少しゼロイン距離を伸ばしたほうがより実用的な弾道に変化する。
ゼロインを40mと変更したことで、ゼロイン手前の弾道は2p 近く上昇したが、このセッティングが通常多く使われる弾道である。しかし、この程度の弾速ではゼロインから先の弾道がそれほど伸びず、結果としてバイタルゾーンはせいぜい40m が限界となる。
 ハンターにとっての腕の見せどころは、固定された弾道をいかにして伸ばすかにかかっている。視線を中心にして上昇7p 、下降20pくらいの弾道幅を正確な狙い越しによりできれば、ハンターとしての楽しみ方は間違いなく増加する。
表−B弾速1200f/s 40m ゼロイン時での各口径弾道
これだけ速い弾道だと、40m ゼロインではとてもものたりないく、50m が通常のゼロインである。
  表−C 口径.177で3種類の弾道、弾速でゼロインを30m として表している。
650f/sでのゼロインは適切なものとなるが、900f/sまたはそれ以上の弾道には40から50m のゼロインが最も使いやすく、合理的な弾道となるはずである。特に1200f/s の弾道は限りなくSBリムファイア.22 に近い弾道、夢の弾道となる。
口径.20 で30m ゼロイン時の各弾道では650f/s時のゼロイン手前の弾道が上昇値が高いだけで、それ以上の弾速では前者の.177とほとんど変わらない。
 口径.22 で同じ30m ゼロイン時の弾道では650f/sの弾道のゼロイン手前が少し下がっている。
口径.25 での30m ゼロイン時の弾道は前者との差はほとんどない。
 この表の意味するところは、弾速によってゼロインを変えなくては弾道が生かされないことを示している。ただ注意する点は、むやみにゼロインを伸ばすとゼロイン手前の弾道が上がってしまい、かえって使いづらいものとなってしまうので、ビギナーにとってはバイタルゾーン内での使える範囲から始めたほうが得策である。
 表-D .177 の超重量弾20gr. を使っての各弾速、各ゼロインを口径.177での弾道で表している。
900f/s 40mゼロインでの弾道はビギナーにぴったりの弾道である。45m までのバイタルゾーンの範囲は、1.5p 下1.5p で3p の範囲で、カラス以上のサイズの獲物の急所を45m まで正照準で撃てる。
1000f/s 50m ゼロインでの弾道は、ある程度、弾道に慣れたハンター向けの弾道である。3p 下3p でバイタルゾーンは無視して、ほとんどのレンジについて少々の狙い越しを必要とした弾道である。少々の狙い越しで60m までカバーし、その先にいたるレンジに正確な狙い越し量を把握できれば、さらに正確な弾道は伸びていく。もちろん、弾速を増強すればさらに使いやすい弾道が可能となる。
 最後にビギナーのハンターにひと言、初心者は猟そのものの概念を理解してから実際のフィールドに立ったほうがよいのであるが、なかなかそうもいかないので、とりあえずフィールドに出てから徐々にその行為の本質を知っていくことになるであろう。
 ビギナーの学習で一番陥りやすい間違いは、同種、同等の行為に飽きて、自身とは技術的にかけ離れている猟法、考え方を実行してしまうことである。理解していない分野をいきなり実行しても決して訓練とはなりり得ない。かえって自身が混乱の中に常に同居しているだけで、日々の猟行のほとんどは学習の積み重ねにはなり得ないのである。
技術的に、どのレベルのハンターもそうであるが、一つの壁を乗り越える準備段階としての基礎固めのほとんどは、長く、多くの反復作業の積み重ねである。特にビギナーには単純でわかりやすい行為の繰り返しによって、多くの基礎的概念が身についていくのである。
 弾道設定についても、前述のごとくバイタルゾーンの意味を理解したうえで、この範囲に限定した距離感をしっかり堅持して狩猟に臨むことが一番大切なビギナーの道である。
 このバイタルゾーンの意味を知らずに日々の猟行に勤しんでいるとしたならば、その行為は偶然性に頼った、空虚で意味のなさない狩猟となり、ひいては危険とも思われる行為に移行していくこともあり得る。
銃床形態と据銃3態
 プリチャージ銃のデザイン的範囲は意外と広いものである。装薬銃よりも安全で、気軽な受け止め方がそうしているのかも知れない。
普通のスポーティー形態を示すアンビスタイルにはサムホールスタイルのものもあり、よりその対応性に幅を持たしている。このサムホールは、アンビとピストルグリップの良いところを持っている形態である。
 完全なピストルグリップの銃床もあるが、それほとの効果はないように感じる。もともと、このピストルグリップは軍用仕様であり、スリム化に期待される環境には馴染まないものである。
 ほかにブルパップという形式がある。これももともとは軍用からきたものが多いようであるが、この形式の優れているところは、銃全長が25p前後短くできる点であろう。頬付けの位置が給弾口あたりにくるので、ほぼバレルドアクションの長さ自体がその全長に近くなる。
 この方式は、ただ短くなるだけでなく、長い銃身を装備しても、その全長は80Cmに収まってしまう。それをさらに極端にしていくと、相当長い銃身と、大きなタンクを当然、装備可能にする。デザイン的には相当な価値観の違いは生じるが、圧倒的なその性能幅を擁している優位性は国内では最も新しい形態であろう。
 図のごとく、銃床(ストック)のデザインによって、据銃の形態は違ってくる。
 アンビスタイルでは、いつもと変わらない据銃であるが、ブルパップ(Bullpup)となると、あまりにもその異様な形態に驚きを隠せない人がいる。スコープの位置は前に、その高さは超ハイマウントとなるので、それを見ただけで拒否反応を起こす人もいるだろう。
 昔のポンプ銃時代に、スコープは可能な限り低く、低いことがベストと教えられてきた時代であった。しかし、本当にそうであるのか。答えは反対である。ものを飛ばすために必要な照準は、その弾道が湾曲するほど高くすべきである。つまり、低い弾速ほど、高い位置からの照準が適している。
 ただし、20m 前後の限られた、ごく近い距離しか撃たない弾道であれば、低くても支障はない。
 弾道の湾曲率が高い順から並べていくと、アーチェリー(洋弓)、ガス銃、ポンプ銃、ピストン銃、プリチャージ銃、.22 リムファイアライフル銃、ライフル、軍需用の機関砲などとなる。
 低いスコープセッティングを求められるのは、装薬ライフルからであり、そのライフルでも、400mを超えるころからは、ハイマウント気味にならざるを得ないのである。
 機関砲などになると、おそらくサイティングの基本から違ってくるはずであろう。
プリチャージ銃用の必要アクセサリ
 プリチャージ銃の一番の悩みは、そのアクセサリーにある。まず圧搾空気をいつも確保するために、ダイビングタンクおよび銃に移充填するための移充填キット(圧力計付きホース)が必須条件になる。このダイビングタンク(圧力容器)と圧搾空気については、国で定める範囲での圧力製造と構造が要求される。
 ダイビングタンク 一時期、国内で200Kg/?(現在の圧力表示はkg-?からM.メガパスカルに変更されているが、ここではkg/?で話を進めていく)の圧力しか充填できないタンクを銃砲店に陳列していたことがあった。銃には200kg/? を充填しなくては、メーカーが指定している発射弾数は得られない。それを承知していながら、親タンクであるダイビングタンクも200kg/Cm2 では銃に移充填した瞬間から銃には200kg/? は供給されない。同圧同士の移充填には一定圧の供給である指定圧200kg/? は供給されないのである。従って、低い圧力での供給となり、結果として発射弾数は激減することになる。
 このような情けない状況を生んだわけは、通常のダイバーが使うダイビングタンク使用には、200kg/? で十分であり、ほとんどのメーカーが、年に一度しか生産されない国内事情では、その時期によっては250kg/? の供給は極端な品薄となる。
 正常な仕様は、250kg/? またはそれ以上の圧力から銃に移充填し、200kg/? までの圧力差50kg/?の範囲でしか使うべきではない。ダイバーの使い方とはまった異なっているのである。
 ただし、プリチャージ銃を研究していくうちに、わかってくることであるが、必ずしも銃に200kg/? の圧力ではなく、もっと低圧のほうが精度に期待が持てる圧力領域の存在に気付くはずである。しかし、そうであっても最低250kg/? なくては、充填の回数は度重なることになるのである。
 ダイビングタンク 圧力容器と正式に呼んでいるが、5 年に一回の圧力試験を条件に更新していく。この容器に収まっている超高圧には、とてつもない爆発的な危険性が秘められているので、世界規模での規格があり、さらに国内独自の検査規格を強いている。
 最近の製造技術の進歩により、一体整形が常識化しているので、昔よく言われた、タンクを横に寝かしてはいけない、などとは言われなくなっているようである。
 日本での特別と思われるほどの危機感は、昔の技術時代を未だ残している証かも知れないが、注意するのには、こしたことはない。
 アメリカではペイントボールを発射してのゲームが盛んに行われているが、タンクの最近の傾向はカーボンファイバー製の軽い300kg/Cm2 のタンクが多く使われるようになっている。中には300kg/? 以上のものまであり、その利便性が向上している。
 このようなものまで使える一つの要素は、充填所の整備にある。高性能なものを手に入れても、それを充填できる充填所が、通える範囲にない限り無用の長物となってしまう。
プリチャージ銃を考えるとき一番目に考えなければならないのは、銃の前に充填所なのである。
 国内の一番多い供給源は、ダイビングショップであると考えがちであるが、その場で入れてくれるようなお店は、大きな親タンクからの充填しかできないので、ほとんどが200kg/? に満たない供給しかできない。従って、この店から充填所に持って行ってもらわない限り、その可能性はない。
 要するに、直接充填所に持ち込まない限り250kg/? は供給不可能なのである。さらに問題がある。この250kg/? を充填可能としている充填所自体が極端に不足しており、これからのプリチャージ銃に陰を落としている。
 都市部や沿岸部から離れるほど、その供給源は遠のいて行く。できることならば、銃を供給している側に、その能力を持っている充填所があれば、その銃砲店から購入を考えたほうが得策である。
 ほかの供給源は法規で許す範囲でのコンプレッサーの使用であるが、費用もかかり、悩みの多い事項である。
移充填ホースキッと ダイビングタンクから銃に圧力を移充填するための道具であるが、圧力ゲージが装備されており、その表示は、kg/?とpsi またはbar がある(200Kg/?=約300psi=約200Bar)。
長いホースのキットは、待ち撃ちや射撃場での安定圧力での射撃に使用される。
プリチャージ銃の行方
 プリチャージ銃の生産国としては筆頭にあげられるのがイギリス、そしてドイツ、北欧、韓国が、われわれに最も馴染み深い国であろう。この中でイギリスは異常なまでの空気銃王国である。アメリカのビーマン社のプリチャージ銃の多くはイギリス産であり、次にドイツ産を自社ブランドとして販売している。
 ここに注目すべき生産国がある。それは韓国製である。数十年前、あまりよくない感覚が記憶の底に蘇る人もあるかも知れないが、韓国での空気銃生産に携わる会社の多いのには驚く。かって国内での空気銃生産もそうであった。その中から健全な生産者を捜し出せば、決してヨーロッパ銃に負けない銃が存在していることは事実である。前述した70歳の方が所持している銃が、その一つである。
 銃身の止め方、連発機構の完成度、どのような重量弾でも包括可能な弾倉厚み(ヨーロッパ銃のほとんどのマガジンはバラクーダまでしか包括できない)、大きなタンクと、どれをとってもプリチャージ銃の条件をかなりのところまで満たしている。
 価格については、プリチャージ銃輸入の初期の頃から見ると、比較的多くの価格帯を擁している。10万円台から100 万円台まで、様々なメーカーとその様式が入手可能である。特に韓国製は価格的にも廉価である。
 最近になって、あのRWSがこの韓国製を扱うようになったのも頷ける。見栄えの良いヨーロッパ銃と、実質的な韓国銃、果たしてその行方はどのようになるであろうか。
20世紀末から21世紀初頭における社会的変貌は激しく、われわれハンターにとっても、外国製空気銃の旺盛な潮流に翻弄されてきた。 かくも多くの空気銃が国内に充満しようとは、誰しも予想しなかったのではないだろうか。輸入銃の価格は装薬銃を凌ぐ勢いであるが、それに伴う受け入れ体制は、どうしても先送りの状況な否めない。
 これからの専門家の課題は、いかにしてメンテナンスと、適切なアドバイスができる、強固な販売体制づくりに奔走することである。
RWS・ダイアナ
ダイアナと言うと、国内のオールドファンには懐かしい響きと余韻が今も蘇ってくることと思う。ダイアナ自体は今でもドイツの雄として変わらぬ王者であるが、時の趨勢には逆らえず、RWSのブランドに依存せざるを得ないようである。
 ダイアナは、ピストン銃の最後の王者に相応しい作品の数々を世に傑出しているが、その中でも特に馴染み深い52型および54型について記しておこう。 
 52型は、古くから国内で根強いファンに支えられ、その改良型の54型が最近国内に正式輸入されたことは大変嬉しい限りである。そのたびに卸元に輸入の要請をし続けてきたが、六年越しの願いが叶い、私個人としても大いに喜ばしていただいた。
 54型は、リコイルレス、つまり衝撃を緩衝する装置を組み込み、最小限の衝撃で精度を確保しようと考えられた銃である。
 私が一番多くの使用機会があったのはこの銃である。重いのとスプリングのへたりを上手くコントロールできれば大変使いやすい銃となる。できればスペアスプリングを手に入れて自分でスプリング交換できれば、最高のコンデションを保つことが可能となるであろう。
 口径5.5mm 、弾はコーディアック(Kodiak)21.1gr、新品の銃で200 発撃ち込んでいる銃、すなわちある程度スプリングが少々へたった状況での弾速を650 フィートとすると、そのエネルギーは20ft-lbsとなる。それでは1000発くらい撃った場合は、どのくらいのエネルギーがスプリングにあるのかというと、結論は条件によりバラツキが大きく、はっきりしないのが現実である。
 スプリングのメカニズムは、この場合非常に難しく、そのスプリングが製造されたロット、使い方、期間によっても違いが起きる。
 また銃、という特別な目的により、数あるスプリング使用製品の中では希にみる酷使を強いられているスプリングなのである。専門家に言わせると、この使い方は無茶であるとのことである。100%縮めて瞬時に解放する  この使用はもともと無理であり、折れ、へたりが生じないものなど、この地球上には存在しない。例え20% くらいのダウンで安定してくれれば良いからと言っても、それも無理である。
 昔、私は何とかもっと良いスプリングができないものかと思い、様々な業種、専門家に相談したが、まずヨーロッパだけで産出されるバージン鋼と称される純度の高いものなら可能性があると聞き、材料の入手を調べていくと、トン単位でしか取引できないとのことで、終止符を打ったことがあった。その間も有名なメーカーと聞いては作ってもらったが、もちろんすべて徒労に終わった。
 このヘタリ問題を可能な限り少なくするには、スプリングの剛性を数十%取り除いたものにすれば飛躍的な改善となるが、初めからスプリング減衰状態にあるダイアナでは、あの重たい思いをしてまで所持する意味はないであろう。
しかしスプリングの減衰しきった状態 (中にはスプリング折れに気づかない場合もある) でも、その弾道は、それなりの大きく膨らんだ使いにくい弾道となるが、肝心のその精度は相変わらず高い評価となっている。
 私は猟場に着いたなら必ず着弾確認と調整をするが、その都度、微量に変化しているのがわかるときと、そうでないときがあり、スプリング減衰していることは確認できても、弾速を計らなかったために、600 フィートまで落ち込んでいることを知らずに使っていたことがあった。まことにお恥ずかしい話である。
 しかし、そうであったからこそ、77mと70mという途方もない遠射でキジを撃ち獲るなどという、この銃にとってとんでもない仕事を強いてしまうことが起きてしまったのである。
 獲れるように調整し、可能な限りハンターに有利となる環境を整えることができれば、自信と経験に裏付けされた、安定した弾道が得られるのである。
しかしながら、この銃で口径.25 はあまりにも銃とハンターへの荷が重すぎる。心ある銃砲店ならば、そのところを考えて、ハンターに接していただきたいものである。この銃を使いこなしていくと、無性に口径5.0mm が欲しくなってしまうのは、私だけなのだろうか。
 ピストン銃への口径選びは、5.0mm 以下が定番なのである。
 以下の各空気銃の文章は、できるだけ簡潔に結んであるが、狩猟用空気銃の全体像の要点を、このダイアナに託して引用したことをご理解くだされば幸いである。
 ソーベン・ラピッド
 イギリスを代表する、比較的ハイパワーな銃である。独特なスタイルで、その個性的な雰囲気を持っており、性能的な改善も少なからず行っているようである。
 最近は、特別製のレギュレーター装備のタイプも販売し、弾道の安定性をはかっている。
 しかしながら、空気銃にとっての一番の問題点は、空気銃の弾の精度がおよぼす影響が大きいことである。この難題を解決しない限り、圧力の一定化によって弾速を安定しても、その安定性の割には、それほどの効果はないであろう。
 この銃で優れているところは大きなタンク容量であり、その大きな容量による効果はレギュレーター以上の効果が期待できる。
 機構的には、比較的近代技術を多用しており、斬新なデザインと適度のマッチングが見られ、精度の良い着弾は気持ちよい射撃感を味わえる。しかし、大きなタンクにより、スコープを含めた総重量は4kg 前後になる。
 ストーカー・レパード
 素晴らしいそのスタイルには、誰もが所持したくなる唱導にかられることであろう。
 軽くスリムなストックは、どのメーカーにも真似のできないデザイン性を秘めており、予算が許せば、フィールドでの夢が叶うかも知れない。
性能は、かなりのハイパワーでも、安定した発射弾数を得られ、このメーカーの技術の高さがうかがえる。しかし、その価格には驚かされる。これからの課題は、国内ですべての修理を可能とすることであろう。飛び抜けた超高級品には、かゆいところにも手が届くくらいな配慮は必要であろう。
デイステイト・ハンツマン
 このメーカーの代表作が、この機種であろう。ストックとアクション、そしてバレルの配置は適度な設計によって、完成の域に達しているように見受けられる。
 ただし、この銃には連発式は似合わない。この銃ほど一発必中のハンターに似合う銃も、珍しいであろう。それだけ精度への心遣いが込められている空気銃なのである。
 イギリス製空気銃の全般に言えることであるが、連発マガジンに設計は、それほどの期待をもって考えられていないように感じる。この銃も連発式を擁しているが、その給弾操作と弾の包括され方を見ると、どうしても不安が残る機構である。その原因は、複雑な作りと固定式にあるようだ。しかし、この銃を扱うほどのセンスを持っているハンターであれば、単発で十分な猟果に期待できるであろう。
 エネルギーについては、このメーカーは、それほどのハイパワーが主ではないようであり、12〜30ft-lbs前後までが、その主力となしているようである。
  デイステイト・ハリアー
 この銃は、連発が似合う銃に感じる。その軽快性と連発性からくる価値観は、中距離以内の狩猟をどうしても連想してしまう。
 軽くて小さいということは、ハンターの行動範囲を広げてくれる。また、もともとそのような行動様式で狩猟をこなしている場合は、このうえない銃となる可能性を秘めている。
 心配な連発マガジンなどは、少々の加工を施すことにとって、給弾がしやすくなったり、弾と回転部品の相性を改善できる可能性もあるだろう。
 バイラーク・HW77K
 ドイツが誇る伝統的な様式と、価値観を兼ね備えた代表的なピストン銃である。ダイアナ同様、頑固に守り抜いてきたそのメカニックは、ピストン銃としての究極を追い求めてきた集大成である。そして、この銃の着弾精度として見事に具現化されている。
 トリガー(引き金)も、素晴らしい持ち味を持っており、この引き味が、あの精度に結びついているのかも知れない。
 しかし、重さも昔と変わらなく承継されていることは、この銃のイメージを重たい銃として位置づけていることも確かである。Kタイプはカービンの意味であり、一番短いタイプに属するが、銃身の短さは弾速にはほとんど影響していないので、この銃がお勧めとなるのである。また、初めから装備してあるオープンサイトは、ドイツ製らしく小型ながらも精巧にできており、各距離へのBDC機構にもなっているので、視力さえ確保できれば、一度はこのサイトで獲物を獲ってみたいものである。
RWS・レイピア
 RWSが本腰を入れて、初めてプリチャージ銃を扱うきっかけになった空気銃である。原産国はスウェーデンであり、アメリカでは違うブランド名で販売されている。
その精度は、100mにおいても条件さえ整えば数センチにまとまり、50m 射撃では大いに楽しむことができる空気銃である。
 デザインを見ると、今までのイギリス製に見られるような、一辺倒なストックから脱し、装薬ライフルを思わせる雰囲気と形態を持っている。そして、軽量化にも意欲的に取り組まれた痕跡が見られる。
 この銃のスコープマウントベースを見ると、レシーバーブロックの高さと、バレルまでの高さが肉薄しており、その差がほとんどないので、スコープマウントは少々高めのマウントにしないと、対物口径の大きいスコープでは、バレルに接触してしまう恐れがあるだろう。
  エアアームズ・S410
 今国内で一番積極的に販売されている空気銃の代表格であろう。この長い外見上のバレルは、何とも頼もしさも感じてしまうが、実際に内包されているバレル長は50? に満たない。その先には長く伸びた空間があり、この二重構造によって、発射音を極端に小さなものにしている点は、人家周りでのハンティングをスムーズにしている。しかし、販売丁数が多くなることは、修理依頼も比例してくるので、なお一層のメンテナンスの充実に心がけていただきたいものである。
 エアアームズ・S200
 まことに奇妙な形態を成しているプリチャージ銃であるが、元を正せばガス銃から設計を起こした銃に見受けられる。価格を見ても半額、長さ、重さにいたっても、かなりなスリム化をはかっており、小鳥撃ちの王者に成長することに期待は大きい。
  ウエイブリー・レイダー
 先のレイピアとは双子のように似ているプリチャージ銃である。ストックの形状は微妙に異なっているが、相当似かよったコンセプトを感じざるを得ない銃である。構造的に違う点は、ボルトの設計と、その給弾システムであり、さらにセフティまで異なる考え方を持っており、似て非なる物となっている。同一の製作者からの供給か、どうかは不明であるが、どちらとも極端なハイパワーとはせず、30ft-lbs前後を主なエネルギーとしている。
  BSA・スーパーテン
 イギリスでは、今なお健在な銃器総合メーカーである。戦後における国内の空気銃ファンには、まことに懐かしい響きをかもしだす名前であるが、近年の空気銃に対しては、少々出遅れた感じは否定できない。
 ピストン銃一辺倒の考えを一新して、初めてこの会社が初めて作ったプリチャージ銃が、この銃である。少々無骨なデザインであるが、その繊細な構造に裏打ちされた性能は、どのメーカーにも負けないものを持っている。
 射撃銃を意識したような、トリガーの引き味はなかなかなものであり、その命中精度も高いレベルを維持している。
 手に取ると、実際の重さよりも、軽く感じるのは、全体のバランスが先軽になっていることがその要因であり、結果としては、軽快な使いやすいものに仕上がっている。
 この銃の全シリーズが、回転弾倉の連発式となっており、その独特な連発システムは、近代空気銃における革命的存在である。
 通常の回転システムは、銃本体からの何らかのアクションが必要であったが、この弾倉は、弾倉自体に回転装置を内包している方式である。つまり、ボルトの抜き差しによるボルトの往復運動だけで、回転と停止を繰り返してくれるのである。
 この方式は、単発弾倉を連発に改造する場合に大変便利なものであるが、残念にも、この繊細で複雑な動きには、ある程度弾種を選ばざるを得ない内容が存在していることは残念である。
 繊細ゆえに、そこには精密性が当然要求されるが、その製作精度が追いつかず、結果として給弾口と弾倉軸線が一致せず、弾種によっては無理な装填となり、弾の変形にいたることがある。
この銃の潜在的精度を、ある適合弾をもって果たしたいのならば、連発弾倉を使わず、単発に、少々の改造を加えて使用することも一つの方策であろう。 
  サムヤング・サーバー7000(韓国製)
 韓国製というと、わが国では不評を買う状況が今だにあるようだが、韓国には様々な空気銃メーカーが存在し、この銃はヨーロッパの銃には全くひけをとらない精度と、パワーを持ち、その構造はヨーロッパを凌ぐ部分が随所に見られる。
 銃身先端はOリングを巧みに使い、軟接合しており、銃身の給弾口にはOリングを内包し、Oリングの摩滅を最小にしてある。またパワー調整機構を備え、しかも対処療法的なスプリング調整ではなく、バルブダイレクト方式になっており、より復元性の高い安定した方式になっている。これもヨーロッパ銃にない優れた部分である。
 また、使いにくいボルトアクションとはせず、一番操作性に優れているサイドレバー式を採用している。そしてプリチャージ銃の大原則である、そのタンク容量も固定シリンダー式の中では最大級である。
 CTC・バイパー
 国内では初めて誕生した、プリチャージ銃専門メーカーがCTC(カスタム・テクニクス・コーポレーション)である。
 このブルパップという、世界でも希な方式の空気銃であるが、最近になってアメリカでは、このブルパップ化が装薬ライフルに盛んになってきており、カービンより、さらに短くコンパクトにできる、このブルパップが注目されている。
 給弾口当たりがチークピースの頬付けとなり、全体の長さが25p前後短くできるのが最大の特徴である。
 今回傑出したバイパーは、世界的にもずば抜けた性能を誇っている。10〜60ft-lbsのエネルギーをハンター自ら簡単、自在に変更でき、50m で60ft-lbsの実用発射弾数を20発以上としている点は、世界でも類を見ない。
もちろん、その最高エネルギーでの精度は、50m 7発で、一円玉に的中するのである。重さは3kg 以内、長さは90p前後であり、バレル長は、外見上75Cm、実際は60pであり、二重ケブラー銃身を採用して、軽量と長いバレルの搭載を可能にしている。従って、80pまでは簡単に短縮化が可能である。
 しかしながら、まともなプリチャージ銃を二丁以上変えるほどの高額銃であり、自ずと、この銃はハンターを選ぶ結果となってしまうことが難点である。
RWS・キャリア707
 RWSが韓国銃を少々肉付けして販売しているプリチャージ銃である。基本的には、海外で通常出回っている、良質な韓国銃と変わらない素晴らしい性能の持ち主である。
 機構的な特徴は、ウインチェスターのようなアンダーレバー式と、キャリア707の本体を合体したような空気銃に仕上がっている。本来は、リボルバーの回転弾倉ならば、申し分ないのであるが、チューブ弾倉に収まってしまったのは、残念なことである。
空気銃の有効射程と最大到達距離
 有効射程とは、目的のを遂げるために、つまり狩猟においては獲物が取れる距離の限界点である。しかし、表現の仕方によっては、誤解を生む事項でもある。
 銃種によって分類することは誤差が大きすぎるので、エネルギーにより検証してみようとすると、狩猟対象や弾種、口径、重さなどはハンターそれぞれまちまちであり、無理にひとつに限定した条件下では、そのデータはどれほどのハンターに通用するか、その判断を大いに戸惑うことになり、ひとつの規範となり得るデータを書くことの意味はないだろう。
 従って、この課題も、自身が所持している銃と弾とが潜在的に持っている性能を自身で調べ、判断することが重要であろう。
 到達距離とは、一番遠くに到達させるための射角で撃ち出し、弾が飛行して到達する距離であり、射角によっては、獲る行為についての実務上の意味は、ほどんどない。
つまり、大気中では射角35度で撃ったときが最も到達距離が長いとされているようであるが、このときの弾が落下して、地表に到達する寸前の弾の進入角度は、自然落下に近い角度であり、空気銃の弾程度の重さでは、生体に危害を及ぼす力にはなり得ない。建築物については、この角度では建物の窓には当たりにくく、そのほとんどは建物の屋根に降ることとなる。しかしながら、人体に当たれば当然、取締りの範囲に入るので、この点の安全上の問題はある。
 われわれの狩猟は、安全を先送りしては成り立たないので、自身の所持している道具の到達距離は知っていなければならない。
 空気銃で最も留意すべき事項は、その射角である。水平射撃に近くなるほど到達距離は縮小するが、十分な殺傷エネルギーを残したまま弾は着弾しているのである。
 空気銃でも射角20度以内は、十分な危険弾道であることを肝に銘じてハンティングしなければならない。この角度はキジバト撃ちやヒヨドリ撃ちに最も使われている射角であり、最も危険な狩猟と考えて行動すべきである。以上のとおり、最大到達距離とは、危険性への警鐘の数字である。
 最大有効射程距離、何とも頼もしい言葉である。銃によって、その差は大きく、またハンターの技量、特に接近術の差により、銃の有効性は甚だしい結果となる。つまり、有効射程20mのガス銃でも、接近できれば正確な射撃が可能となり、キジでもカモでも十分獲れるのである。
 もしハンター諸氏の中で、いくら正確に至近距離から撃っても、たかだか10ft-lbs程度のエネルギーでは獲れないと断言するのであれば、そのハンターは「へたくそ」を棚にあげた、エネルギー主義者であろう。
 空気銃の醍醐味は、限りなく少ないエネルギーで、いかに獲るかであることを一度は考えてほしい。この事実を一回でも体験すれば、その後に使うハイパワー銃の使い方、その意味も見えてくるはずである。
しかしながら、気軽にパワーを変更できる銃が少ない現状では、勢いハイパワーのほうが、無難な銃となり得る現状は、まことに残念な事態である。
安定した精度の諸条件と
  銃腔クリーニング
精度を安定させると言うことは、良い状態の復元性を保つことである。復元とは再現とは同意語に近いと思うが、物事で一番大切で、一番難しく、重要な中核をなすものである。 着弾の精度がそのときに確保されても、次の機会にそれを再現できなければ、その価値はないのである。銃腔クリーニングも同様であり、スコープレティクル、マウントそして最も難題なのは、人の精神的安定の再現であろう。物事の最終課題は、常にその再現性である。
 獲れる精度への追求
 ここで言う精度とは、空気銃での狩猟行為における精度であり、その行き着く目的は、結果として獲れる範疇に、いかにして弾丸を送れるかということである。つまり、急所に当てるための環境整備である。
 本書ではたびたび環境という言葉が出てくるが、人にとってほとんどの事項を潜在的に支配しているものが、この環境である。人が常に支配されている大きな力が環境なのである。この環境を大別すると、物理的環境と精神的環境に分けられるが、この二種類の環境について考えてみよう。
 物理的環境
銃そのものに関すことであり、一番直接的で、具体性があり、理解しやすい項目である。
 銃の仕様
自身が習慣的、日常的に使う距離によって異なってくるので、やみくもに一つに銃を評価することはできない。大は小を兼ねる、という言葉があるが、銃に関しては当てはまらない場合がある。
 従って、それぞれ目的が異なる狩猟を共有しているハンターは、その目的、価値観に合った性能の銃が本来のあるべき姿である。とは言っても、高価な銃が多い昨今では、それほどの種類の銃を所持することは困難なことで、ここではその理想として述べておく。
 目的、つまり対狩猟鳥獣によって必要なエネルギーが当然予想され、必要以上の高エネルギーはかえって使い難くなる。結果として不合理になり、獲物の回収率に影響してくる。
この件については、それほどの関心を示さないハンターが多いようであるが、意外と重要な事項なのである。
 例えば、40ft-lbsまたはそれ以上のエネルギーの銃は、初めての人には想像を絶するほどの音を発生する。この音は空気銃であるという概念までも覆すほどの環境を作ってしまう。結果として、できるだけ多く獲りたいスズメやヒヨドリの複数獲りには不利となり、一群れ一羽とどまり、後日の射獲率が低くなる。
 反対に、対象がカモなどになると、その必要エネルギーは大きめになる。このクラスになるとパンチ力もさることながら、もっと大切な性能は、風に負けない弾速と精度がなによりもまして必要になる。確かに、前述したごとく生体を獲るためのエネルギーはそれほど必要としないのだが、安定した精度に効率を考えると、速い弾速と、多くの距離範囲に適用でき得る(バイタルゾーン)低伸弾道が必要になるのである。
 50m の距離で少々の風があるときの着弾は、30ft-lbsでは5cm 前後移動してしまう。風向きによっては着弾ポイントもその都度変化するのである。通常、風向きを考慮するというと、左右の移動を想像するハンターが多いようであるが、同じ頻度で上下に着弾ポイントの変化が発生するのである。つまり、追い風では上に、向かい風では風の大きな抵抗によって、弾速が低下して下に着弾するのである。
 この条件で風向きを考慮して、3cm 以内に弾丸を送り込む行為は並み大抵の技術では歯が立たない。それよりも、その条件に合致するパワーと精度を持ち合わせた銃を選んだほうが半矢も少なく、結果として獲れる精度が格段に向上するのである。
 世のライフルマンの多くは、装薬ライフルについては当たり前にこの常識を当てはめるのに、こと空気銃になると一辺倒な選択肢になるのは不思議な話である。
 獲るための精度とは、一点を当てるだけの精度にとどまらず、その効率も精度のうちに入るべきなのである。射撃とは異なる大きな価値観の違いである。
 銃の重さ、長さは、銃の取り回しに大いに影響する。例えば、ダイアナなどの極端に重い銃では渉猟による猟には向かず、定位置からの待ち撃ちのほうがその効率は増す。この場合は精神的な負担も影響してくることもあるだろう。やる気が失せてしまう環境も、その人にとっては精度に影響してしまうのである。
 銃身の影響 この点も見逃せない事項である。
 短い銃身でハイパワーを生み出そうとすると、過剰なパワーが必要になってくる。それは空気量の大食いと過剰な振動をもたらし、結果として発射されようとしている銃腔内を移動中の弾丸運動にも影響し、着弾精度に影響してくる。ハイパワー、軽量にも少なからず悪影響してくる。
 銃身とは、精度を生み出す前に、加速器であることを忘れてはならない。それも可能な限り精度に悪影響しない条件下での効率良い加速を得なくてはならない宿命と使命を要求されているのである。
 ヨーロッパ産の銃には、軽量を求めるあまり、極端に短い銃身を売り物にしている傾向が見られるが、これなどは売りやすさを主眼においた販売戦略の一端である。
精神的環境
 人にとっての行動学の基礎となっているものは、すべて内面的な精神構造に支配されている、と言っても過言ではないくらい、人間は精神的な動物である。ゆえに人は「環境の動物」と言われるのである。
 ハンターにとっては、ゾクッとする一場面は、その面白さ、緊張感になり、普段味わえない環境が狩猟を価値あるものへと導くのであるが、一歩間違えれば命にも影響してしまう怖い世界なのである。しかしながら、そうならないのは、ぎりぎりなところで支えている、心の安定性なのである。
 心の中には平常心という精神状況もあるが、いつも平常心の範疇で、事がすべて完了してしまっては、この狩猟という男のロマンチズムは、納得いかなくなるのである。
 男本来の性である見栄によって、かろうじて他人からは露呈されなくとも、自身だけは知っているのである。ここが、男の世界の原点なのであるが、そもそもそれ自体を支えているのは、他人同士の人間関係なのである。
 精神的バックボーンは、何と言っても多くの良き猟仲間である。およそ人との付き合いをせずに、猟という行為はあり得ない。
 たまにしか会わないエアハンター同士でも、他人との信頼関係は、自身への戒めにも通じ、ハンターとしての誇りを育てていくのである。
 仲間の存在は、ハンターの精神安定剤になり、心の余裕になっていく。
大物発見 その日の猟行に、これほどの感激に通じる価値観はないだろう。しかし、撃つには少々難あり。さて、ここでハンターはどうするのか、そのまま発砲の準備へと自身を導くのか、それとも? 発砲するための準備行動は、相手に悟れる原因の一つである。
 どう見ても発砲に適する機会がないのに、踏み込んでいくハンターは、精神的な余裕がないハンターである。むしろ後退して、ターゲットが落ち着く領域で、観察する程度の思慮深さは必要である。
 一度大きな恐怖感を与えた大物は、その後の発見に少なからず影響してくることを教えてくれるのも、ほとんど他人なのである。
 必ずしも猟仲間が、いちいちそのことを教えてくれるとは限らない。仲間が話す内容の中の失敗談が、とりもなおさず大切な講義項目となっているのである。他人からの新鮮な情報が、ハンター自身の精神構造を支えているのである。
前記したように、銃腔クリーニングの必要性は口径の増大によっても、その頻繁性が比例的に増していく。4.5.mmや5.0mm 程度の小口径でも20ft-lbs以上のエネルギーの銃は、ある程度のクリーニングは必要であり、5.5mm のポンプ銃またはそれ以上の口径、エネルギのものには日常的に習慣づけたほうが得策である。
 口径6.35mmにいたっては数十発に1回は必要であり、精度を最優先したい場合には10〜20発ごとの実施が条件となる。
 ここまで説明するとわかるように、大きな質量になるほどにクリーニングへの配慮が必要になってくるのである。従って、それほどの手間をかけたくない御仁には、小口径で低エネルギーの銃が一番適することになる。
 今までポンプ銃がほとんどの狩猟で活躍した時代には、それほどの問題にはならなかったわけだが、今となっては、このクリーニング技術はぜひとも会得すべき事項なのである。
従って、これからの狩猟は、銃腔クリーニングの仕方、技術によって、その明暗が分けられると言っても過言ではない、
 射撃場でよく見かける光景であるが、「以前、射撃したときにはよく当たっていたのに」とか、「初めこの銃は当たっていたのに、今どうして当たらないのか」しきりに首をひねっている御仁。たまには首ではなく頭をひねってみてはと思ってしまう状況が多くある。
 以前の状況と本当に何も変わっていないのならば、変わってしまったのは銃腔内の変化である。見ればクリーニングセットは持参していない。自分の銃のことをどこまで知っているのであろうか。どうせなら5.0mm 程度の口径にしたほうが、今日も楽しく射撃できたものを。
 では、なぜクリーニングをしなければ精度を維持できないのだろうか。その大きな理由は、銃腔内を弾が移動して行く際に一発目と二発目または三発、四発目との条件の差を可能な限り少なくし、より同等な条件に整わせたいと考えるが、銃腔内には鉛や油、水分そのほかゴムや機械的な消耗に伴い様々な不用物質が付着、堆積していく。
 もちろん、機械的な損傷から運び込まれるものは設計段階で配慮を加えればよいのであるが、これはさておき、この状況は撃つたびに蓄積の一途を辿っていく。この条件とは、撃つたびにその条件が変化していくことになり、必然的に着弾も変化していくことになる。
 物事すべてそうであるが、まったく同じ条件に設定できれば簡単に精度は維持できるものは沢山ある。しかし、そうはいかないのが、この地球に暮らす者の宿命なのである。もし地球の引力、質力が大きく違っていたならばこの問題は簡単にクリアできたかもしれない。
要は、銃腔内の復元性なのである。銃腔内が少々汚れようが、まったく同等な復元性が確保できれば同じところに着弾してくれるのである。銃身は一番変化を嫌うのである。
 しかしながら、この問題をクリアしても他の復元性に落ちる弾などが悪さを引き継いでいることも確かである。空気銃の中には常時、銃腔内を油まみれにわざとしておく方法もあるくらいで、前者をドライ法とすれば、後者の手法はウエット法とでも呼べるであろうか。要は、その復元性にかかっているのである。
 装薬ライフルなども、そのシーズン絶対にクリーニングしないハンターもおり、このハンターは経験的にこのほうが安定して使える条件を見つけていたのかも知れない。
 空気銃において一番影響すると考えられている鉛の蓄積は大口径、大エネルギーにある。その理由は、ペレットの断面形状にも起因している。
その形状はテルテル坊主型、先重りの典型的な遅い飛行物体独特な条件を持っている。
これは決して飛行条件には適合しておらず、しかし、これでないと総合的性能としてバランスがとれない、何ともやるせない理由なのである。つまり、ライフルのような猛スピードの飛行物体は、逆の先軽尖頭型という飛行には有利な形となる。ジェット機もそうである。
 ペレットは腔内弾道学的な配慮を優先しており、決して腔外弾道学的にはあまりむいていない代物なのである。だが、めったに横転弾は起きない。
 話を元に戻すと、腔内学的に考えたのは、可能な限り圧力漏れがないようにスカートを薄めにしている。このことは空気圧力により弾が拡大,膨張することを条件に作られているために、大きな口径ほど弾底部に空圧はかかりやすく、重たいほど移動モーメントに要する空圧も大きなエネルギーでなければ動き出さない(初動時)のである。結果として、腔内に鉛を多く残して移動して行くことになる。
銃腔クリーニングの仕方
 一番、鉛の付着率の高い部分は、弾のスタート地点付近になり、腔内の先端を絞ってあるテーパード銃身においては、さらに一番大切な先端数cmが鉛の悪戯にあずかるのである。
 銃腔クリーニングの仕方で簡単にすぐできる方法は、フェルト弾を弾と同じ条件で、撃ち出すことである。使うたびに習慣的なクリーニングを心がければ、効果的である。
 一般的な銃腔クリーニングは、棒の先にフェルトまたは木綿布をつけて銃腔内を往復させて行うが、このときの抵抗がある程度ないと、その効果は薄れる。
長い間、銃腔クリーニングしていなかった結果、多くの鉛カスがつき、なかなかクリーニングの効果が生まれない場合は、薬品処理を施す。これは鉛落とし用のソルベントである。アメリカでは、ブラックパウダーと称される黒色火薬銃や、スラッグ銃に使われているものである。
クリ−ニングシステム技術とは、その行為の物理的な操作方法より、いかにして同一な復元性の環境を作るかにかかっている。それはいちういの時点で、どのクリーニング手法では、どのような結果になるのか。つまり、ひとえにその人の分析力を基本とした予測能力にある。ほとんどの人は、銃腔クリーニングはやったが、その結果の分析までにはいたっておらず、まったくもったいない話です
狩猟目的と高齢者の
  空気銃空気銃の選び方
「この程度でよい」などと考えていると、店に陳列してあるポンプ銃などを買わされ、あとで苦労してしまうので注意が肝心である。
 銃の重さは2.5kg 以内、長さは90cm以内、引き金の重さは1kg 以上。銃種はガス銃またはプリチャージ銃にして、その取り扱いを必ず理解してから使うこと。また、予算があれば、故障に対して安心できる国産銃を、特注によりそのハンターに合わせて作れば、ほとんどの条件が実現するはずである。
 いかに銃種を選ぶか
 空気銃の銃種には、別項のごとく様々な形態、形式、強さがある。初心者がこの中から好みだけで選び出すのは少々乱暴な結果となるので、説明しよう。
 まず体力に自信があり、少なくとも40歳代程度だと思っている方には、銃種は自由に選べる。しかし、それ以下だと判断した方々は、銃の選定を慎重に考えていただきたい。
 少々疲れ気味の方にポンプ銃は難しい選択であろう。一昔前ならいざ知らず、現在のように種々のタイプが国内に存在している中で、選択を誤ったと思うケースは非常に多いようである。
 何回もポンピングすることに支障をきたす方々には、ガス銃、ピストン銃、プリチャージ銃をお勧めする。
 ガス銃(関東以南のあまり気温が低くならない地方ならば)は、主にキジバト以下の小鳥撃ち、それ以上の獲物にはピストン(スプリング式)銃またはプリチャージ銃が適している(ただし、これはあくまでも一般論で、技量が備わればガス銃でもキジ、カモは獲れる)。
 ピストン銃には様々な構造、強さ、形態があり、一番操作性が優れているのはサイドレバー式であろう。その代表格がRWS(ダイナミット ノーベル社)の54型または52型である。
 この形式銃の最大の欠点は、その重量にある。スコープを装備すると4kgを軽く超えてしまう。一日中渉猟しながらの猟には少々無理な方もいるだろう。
 500gくらい軽くしたい人には、カラーで発表した「世界の空気銃誌上紹介」の中から中折れ式を選んだほうがよいのであるが、弾速が100フィートほど落ちる(ポンプ銃7回くらい)。
 ただし、このピストン銃を選ぶ場合は、必ず経験者に指導していただくことが条件である。同じ中折れ式の中には、ガスラム式がある。
この方式はパワーと精度、つまり理想的なピストン銃を考えた末に生まれた銃なのであるが、私も国内にこの銃を紹介した都合上、1万発近く撃ち込んだが、一般的な使用には耐え難い銃であった。要するに、極端な衝撃によるデメリットが多すぎるということである。
 しかしながら、思慮深く熟練したハンターにとっては、たまらない魅力に満ちた個性の持ち主であることは事実である。
 プリチャージ銃は予算が許し、空気の充填所が通える範囲に確保されれば、この銃にはどの形式の銃もすべてについてかなわない。
 歴史的にも最も古くからヨーロッパで使用されており、基本的構造は完成の域にいたっている。そのシンプルな構造(大きく作動する部品を必要としない)を最大限生かせば、軽量、ハイパワーも望みのままである。前記した口径.50 の銃もすべてこの形式であり、多方面にわたる用途へ適合する方式は、これ以外には考えられない。
 初老から老齢となられた方々には、ガス銃かプリチャージ銃をお勧めする。高齢者の老ハンターに必要なことは、まず軽いこと、操作性が良いことになるので、間違ってもポンプ銃を選択しないことである。体力のない方にとってのポンプ銃は、スペアとして所持することは最適な選択になるかも知れないが、主要な道具とはなり得ない。    
口径ままたはキャリバー(Caliber) という呼称は本来の目的は、長さを指す。例えば20口径と書くと22という長さ、距離を示すことになるので、われわれの使い道からすると、口径.22 とすれば直径が0.22インチ、すなわち口径の大きさを指すことになる。口径の選び方は、現在のように多くの形式やパワーが違う様々な銃があるので、一概にこれでよいなどと軽はずみには考えられないが、ごく一般的な見地から言えば、初心者または銃を1丁だけ所持したい場合には小口径の4.5mm または5.0mmgが妥当な線である。
 その理由の第一には、弾道が非常に使いやすいフラットな低伸弾道であるからである。例えば、ポンプ銃では10回もポンピングすれば35m 前後までは正照準のままで全域をカバーできる。しかし、このポンプ銃にはポンピングの基本動作をきちっと覚えない限り、まともな操作は絶対にできない。それなりの訓練が必要である。
 今のように使いやすい銃があることを考えると、このポンプ銃ほど初心者に難しい銃はない。しかし、安い価格を魅力に買い求めたからには何が何でも、まずポンプ操作が最優先である。
 無難な操作は危険の行動様式を生みやすくなり、さらに長い期間所持していけば、周囲のハンターからもその不自然さが危険視されるようになってくる。そうなってもまだ無理をしてまで狩猟を実行することは、危険人物の烙印を皆で押すことになってしまう。そもそもそうなった理由は、そのハンターに研究心がなかった事実と、同時に周囲のハンター達にも、正しい世話やきする人がいなかったことが原因かも知れない。このような貧弱な
人間関係には決して良い関係、良好な環境は生まれない。
 初心者と言っても安穏としていては、その多くのためになる話はない。積極的に自分にとって何が大切なのか、良好な環境を探すにはどうしたらよいのか、必ず探さなくてはならない時期が来るのであろう。エキスパートを目指すハンターにも、小口径は大変都合の良い口径となるのであろう。
 大きな口径については、説明の必要はそれほどない。大きく湾曲するその弾道は、近射に徹するか、よほどの思考を持ってするか、または特別なハイパワーの弾道とするしかないだろう。大口径、特に6.35mmは相当な訓練が必要となる、この口径を使ってカモなどを獲っているハンターは、獲れるから満足しているのである。 
 獲れる事実は、それなりの経験と思考をもって対処しているからだと思う。それまでにいたった経緯は、それなりの貴重な内容を含んでいるからこそできるのであり、決して初心者が成せるものではない。
 およそ各業界のプロと称される人達は、初歩とみられる基礎的な行為をきちっと実行してから、先に進んでいる。それが一番速く目的を達成できることを体験的に知っているからである。
 この空気銃を取り巻く環境の多くは、あまりにも基礎的なものをないがしろにしてしまう傾向が強い世界である。基礎がなくしては必ず間違い、勘違いを起こす日がやってくる。
主要ゲーム別 口径選択
 スズメ猟と口径
 別項でも詳しく説明しているが、スズメ猟はポンプ銃が最も気軽に使える銃となる。しかし予算が許せば、4.5mm で10ft-lbsほどのプリチャージ銃がよいだろう。20mでの仕事の質は、精度最優先が大原則なのである。
 プリチャージ銃で、7gr の弾を10ft-lbsで撃ち出したときの弾速は800 フィートほどであり、かなり速い弾速である。しかし、プリチャージ銃の価格を考えると、小鳥撃ちにしか使えないことは、それは無駄づかいともなり、ポンプ銃への依存度が高くなるはずである。
 もし、30ft-lbsもパワーがある銃では、1発にかかるエネルギーは力学的、経済的にはまったくのナンセンスな状況になる。つまり、一羽からとれる肉量と、道具のバランスが悪く、結果として、大きな意味においてもエネルギーの無駄づかいとなるのである。
  ヒヨドリ、キジバト猟と口径
 スズメ撃ちより、複数獲りしやすい相手である。つまり、一群れワンラウンドにおいて、うまく立ち回れば数羽獲れるのである。だからと言って、キジバトはやさしい相手ではなく、ヒラリと枝に止まった瞬間に、ハンターはターゲットをスコープにとらえていなくては、能率よい射獲は期待できないだろう。そして弾速もできるだけ速い銃が有利となる。
 キジバトは、枝に止まった瞬間、必ず回りの危険をうかがっており、緊張しているのである。発射しても、着弾より早く飛び去ることが意外と多いので、銃に求められる性能は、弾速1000フィートが欲しいところである。しかも静かな発射音、この点でガス銃はパワーの割には大きな発射音なので、あまり向いていない銃種と言える。
 銃の口径は4,5mm か、せいぜい5.0mm になる。銃種は、待ち撃ちならばダイアナ54型やプリチャージ銃が最適である。ダイアナには中折れ式のピストン銃があるが、中折れ動作があまりにも大きくなるので、キジバト猟には不向きである。
 ヒヨドリ猟はキジバト猟ほどの難しさはなく、格好の隠れ位置、環境を確保できれば、複数獲りは可能である。ヒヨドリは渡って来ると、ぴーぴー騒ぐので、この点もハンターからは認識しやすいターゲットである。
 カラス猟と口径
 その鈍重な動きは、一端危険を感じるや、思いもよらない俊敏な行動もできる、変幻自在なターゲットである。おそらく、この世に存在する鳥類の中では、特別な行動学を持っているようである。世界的にもカラスに対しての研究は成されておらず、人間にとっては不可解な動物である。そして、その狡猾な性格は、社会的にみれば決して好ましい存在とは言えないことが多くなっている。風呂中断
 都市部に集まるハシブトガラスは、もともとは山間部に棲んでいたカラスであったが、今ではハシボソガラスの聖域を侵している。
そして、その旺盛な繁殖力は、都市部にある主要な公共地にも影響を及ぼし、数年ごとに空気銃による駆除の対象になっている。
都市部ゆえの、空気銃の使い道である。
 実猟野では、人は寄せるが、ハンターは寄せつけない。この条件で、能率を考えると、どうしてもハイパワーな銃に依存しがちになるが、決してそうではなく、カラスの泣き所を見つけさえすれば、ピストン銃でも獲れる。
 銃を持ち歩いての猟は不可能なので、重さより、弾速と精度を重視した銃がよいだろう。そして身を隠す要領がわかれば、あとはいかにして複数獲りに自らを導くか、建物や車を利用することが一般的であるが、別項に記載したコールによる待ち撃ちも成果がある。
 口径については、一般的には5.5mm となるが、遠い距離での狙撃を考えると、小口径高速にしたほうが使いやすいはずである。
 小口径でも、重たい弾で1000フィート以上になればエネルギーも大きくなるので、50m くらいまでは通用する。しかし、風を考慮した場合は、それ以上のエネルギーを考えたほうが得策と言えるだろう。
 カモ猟と口径
 空気銃にとっての大物の中で、一番矢に強いと言われているゲームである。寒い気候のための分厚い羽毛と、長距離の飛行にともなう充実した筋肉組織が、防御のための装甲板の役割をしているのである。
 見つけても、相当な距離からの遠射となることが多く、鳥猟においての最大の強力銃を望まざるを得ない対象である。特に沿岸部のカモ撃ちとなると、常時、風に曝されていることが多いので、さらにその難度は増していく。連発式が有利である。複数獲りのためより、半矢となったときの対処としては、その威力は生きてくる。このターゲットに対しては、プリチャージ銃に勝る銃はないであろう。
 ハンターにとっては、50m から80m までもカバーできるプリチャージ銃を持てば、これほどの幸せはないだろう。だからと言って、口径はむやみに大口径にすることはない。現在のように、ハイパワーに見合った弾が供給されているので、そのパワーと距離に適合すれば、口径は5.5mm または、それ以下でも十分対応可能である。
 口径が小さく、ハイパワーであれば、それほど大きな口径より、小口径のほうが遙かにフラットな、低伸弾道を描きやすくなる。
もちろん、そのエネルギーの減衰は小さく、途方もない距離でのエネルギーは、そこにまで到達するのである。
 大昔、「大艦巨砲」という言葉があったようだが、まさに、それを修正するがごとく最近の空気銃の性能は、小口径高速の時代が、すぐそこに来ているのである。ただし、その危険性は大きい。
キジ猟と口径
 大きなターゲットの割には、これほどエネルギーのいらない対象も珍しいだろう。ほとんどの射距離が、30m 以内であるがゆえのエネルギーである。
 遠射意識ばかりに気をとられていると、突然出現した近距離のゲームの王様を半矢にすることが多くある。つまり、あまりに遠いゼロインは、肝心の獲れるべき大役を果たせないということである。
 精度にいつも心していれば、ガス銃ほどのエネルギーで、パチンといって決着してしまうのである。とは言っても、一般的には、口径5.5mm で、25ft-lbs程度が妥当である。何も危険を冒してまで、小エネルギーに徹する理由は、キジに対してはないのである。
 半矢を心配しているハンターには、連発式のほうが、精神的に安定するであろう。しかし、急所に命中しない限り半矢となることは必至である。
 以上、主要ゲームの口径選択について述べたが、ハンターの考え、技量によって、選択肢の差は大きい。従って、おおよその一般論が適切な表現であったとしても、一ハンターへの適応とはなりにくい。ただ言えることは、すべての銃猟行為においての効果は、そのターゲットへの当たりどころ、精度で、すべては決するということである。
 むやみにパワーを上げても、獲れないハンターには、どのようなパワーをもっても、それほどの期待はできないのである。パワーは、遠い空間や風に対しての対処であり、決して生体への破壊の増長によるわけだはないことを肝に銘じていただきたい。その意識が、感受性豊かな完成された狩猟術に育っていくことなのである。
銃床材(Stok Blanks) のいろいろと特徴
銃床材の樹種は、一般的にはクルミ(Walnut)、サクラ(Cherry)、カエデ(Maple)、ブナ(Beech) などである。
 銃にとって、その材質に求める基本は温度、水分、衝撃などの外圧があっても変化しないことである。つまり、朝と昼との温度差による伸び縮みが起きて、銃身に干渉することにより、着弾に変化が起きることのないような材質がよいのである。
 木材の一般的な性状は、水分を放出、吸湿を繰り返すので、乾燥材を使い、表面をコーティングして、防水層を形成し、その息を止めるのである。空気銃の場合は、ポンプ銃やプリチャージ銃のシリンダーが銃床との接点となるので、どうしてもその心配から逃れたい場合は、銃床との縁を切るためにシリンダーとの接し面をほんのわずか削り落とし、フローティングとする。
 材質の善し悪しで、グリップの形状、サイズも違ってくる。日本人のような比較的小型な手には、無骨で太いグリップは引き金に指が届かず、正規の絞りかたを阻害している光景は多いものである。強度的に問題があるような材質は、大きめの肉厚を銃床に強いるのである。
 クルミ 比較的軽いほうで、加工性もよく、世界中で一番多く利用されていることは周知の事実である。
 クルミ材には、グレードの種類も多く、そのグレード名は、国や供給先によって異なり、いっそう複雑な環境を成している。一般的なグレードは、おおまかに言うと、下から、AからAAA(スリーA)クラス、クラロークラスになり、空気銃にはこのあたりまでが常識的な範囲となる。
 上級クラスになると、タイガーストライブと言われる、縦模様がその美しさを際だたせている。
サクラ その均一でおとなしい柄と、生育が早い樹種であり、大量生産に向いており、空気銃にも使われるが、一番多く使用されているのは軍需用である。
 カエデ カナダの国旗に採用されている、北アメリカを代表する木である。どうしても白っぽくなるので着色をする場合が多いが、その独特な模様は他の樹種にはない価値観を有している。加工性が最悪な木であり、その渦巻くような文様は、ほとんどが逆目を成し、手仕事での行程を大いに悩ましている。
 グレードについてはスリーAクラスで、美しい縦目のタイガーストライブと、さらにグレードアップすると、カール柄が浮き出ており、際だった流麗な雰囲気となる。
 銃床材を木取りする場合、その部位は大木で、古木、しかも根元に近づくほど複雑な文様が刻み込まれており、その価格に反映してくる。樹木にとっての根元の存在は生育していく過程で、頻繁に様々な要素が組み込まれていく部分であり、気の遠くなるほどの年月をかけて、刻んできた木の歴史そのものであろう。通常、強制乾燥により15% 前後にしてから市場に出されるが、ものによってはソリがでてしまうので、最低2インチ以上の厚みが必要である。
 ブナ 世界的にも比較的産地が多く、サクラ同様大量生産に向いており、空気銃への利用が多い樹種である。着色によっては少々高級感をだし、安価なウオールナットに似せて、作られることがある。
 シンサティック 化学性材による銃床作りが盛んになっている。その安定した材質により、銃身への干渉が避けられるとして、射撃競技のような精密性を要する分野や、天候に影響される狩猟にも広く支持されるようになってきた。
 ラミネート どうしても木材で安定した性能をというユーザーに対しては積層構造のラミネート材があり、上記各種木材の1.5mm 前後の薄い板をフェノール樹脂を接着剤として圧着して生産している。この模様はまさに人工的な柄であるが、樹種と着色によっては、数十種の組み合わせとなる。
 木材にしては少々重くなるのが欠点であるので、スケルトンスタイルのように、銃床元部分をくり抜いて使うのも、その方策となろう。空気銃メーカーでは、ファルコン社がスケルトンを多用している。
空気銃の改善と改造
空気銃の改善改造を手がけてから、2年余りになるが、その希望者が意外と多いのには驚いている。数年前からプリチャージ銃が盛んに輸入されており、その使い方、そこに潜んでいる潜在的な将来性をファンが気づいてきたのであろう。従来のポンプ銃やガス銃などは、価格が比較的安く、潜在する性能には、改善の価値を見い出さなかったのであろう。それはシビアなユーザー感覚であり、まさにそのとおりなのである。ユーザーはちゃんと知っているのである。
プリチャージ銃には、もっとお金をつぎ込んでも、それに応えてくれる価値感があり、ハンターの夢を具現化できるのである。
 新たなる挑戦と経過
 私が個人的に、どうしても導入したかったものはブルパップであった。今思えば、2年余りの思考期間に、世界にも誇れるブルパップが完成し、すでにユーザーが今猟期に使っているなどとは、われながら信じられない大事件である。この銃に課せられた目標は、ポンプ銃程度の重さと長さ、エネルギー自在、銃身60cm、50m での発有効弾が20発である。 当初は、そのスリムな銃身に信頼が持てず、50m 射撃場に赴いたときは、不安でいっぱいであった。スコープサイターで前もって調整しておいたので、黒点の2cm近くに1発目が着弾。さて、問題は2発目である。しばらく煙草をふかして、はやる気持ちを煙にまかせていた。ガキーンという金属音混じりの発射音。瞬時にボスッという着弾音が返ってきた。 そのままの姿勢で、予測箇所の周りを眼でなめ回す。ないのか? 何と1発目の弾痕の1cm脇にマークしている。本当か? 3、4、5発まで続けざまに撃ち込んでいく。同弾1、3cm離れた弾痕が、このラウンドの最後であった。3cmの集弾である。初回にしては上出来である。その日50発ほど1時間の間に撃ちつくし、終了とした。
 その光景をじっと眺めていた方が「そのレバー式は、そんなに早く撃てるのですか」と聞くので、「そのために、この面倒な設計を、製作者に強いてしまったのですよ」と思わず言ってしまったのである。
 思い起こせば、製作者である秋元氏には、大変な苦労をかけていたようであった。しかし、それが今まさに開花したのである。
製作者としての感性を、並みはずれたものを持っている彼に感謝すると同時に、自身が彼に巡り会ったという事実は、幸運にも恵まれたのである。おそらく、ブルパップを市場に傑出したのは、国内でわれわれが初めてだろう。
すぐに秋元氏に電話したが、「よかったね」その一言で終わってしまったのは何とも不満であったが、その一言の裏には、「俺が作ったのだから当たり前」があったのかも知れない。
 発射音についても心配していたが、予想を遥かに裏切る、小さな発射音に大満足であった。その後ユーザーに手渡した3丁についても、別段われわれを裏切る結果が報告されていないのにも、胸をなで下ろしているところである。大変テマエミソな話であるが、国内で初めての試みであることに免じ、お許しいただきたい。
 空気銃改善とその心理
 プリチャージ銃を改善、改造していくうちに、様々な事実にぶち当たってくる。まず、なぜハンターは自身が選んだ空気銃を改善したがるのか。問い合わせの、ほとんどの人に、「そんなに大きなパワーを何に使うのか。本当に必要なのか」と聞いてみるとほとんどのハンターからは、はっきりとした答えが返ってこない。その半数以上は、「パワー不足で獲れない」との答えがしきりに耳につく。
 はっきり言ってしまうと、下手、不勉強、経験不足が目立つように思われて仕方ない。確かにそのハンターにとっては、そのエネルギーでは、不利な条件であることは明白であっても、あまりにも非科学的な答えが多く、感情論ばかりが、先行しているようである。  つまり、距離が遠く、風もあるので、弾が流され、思ったところに着弾する確率が低いので、その点を改善したいと、自分が自覚していれば理解できるのだが、「この銃では当たらない、獲れない」の一点張りでは、何のために、この趣味を選んだのか、その大切な主旨を明確にしていないままに、ハンティングを実行しているハンターが多いのである。
 はっきりとした目的感のない、感情的なままでさらなる変革を遂げても、道具への理解度はそれほど生まれず、結果として潜在的に備わっている、その銃の大切な内容を理解できないままで、終わる可能性を秘めているのである。
 そのハンターの感覚の中に、風や距離を意識の中にいつも入れていれば、風の影響と距離感覚を感じながらの狩猟術が育っていく。
 エネルギーと実際の猟果の関係をいつも検討していれば、自ら生み出せる着弾精度に問題があるのか。接近術を考えるべきなのか。
 獲物のどこにヒットしたら、射獲率がよいのか。その獲物にとっては、どのくらいのエネルギーが限界なのか。
 じっくりと考え直すべき項目は多いはずである。
 精度やエネルギーを考えるとき、自身のポジションが、現在どの辺に位置しているかを、考えなくては、道具と結びつかない状況が多いものである。目の飛び出るような値段のバイパーを所持しようと考えているハンターは、自身の目的と、研究心を当たり前に、銃と一緒に所持しているのは、何なのだろうか。
空気銃思考へのバロメータ
 私の考えの中には、その国における空気銃への造詣のレベルを計る物差しがある。それは、その国の大多数が、25〜30ft-lbs程度のエネルギーがほとんどの空気銃狩猟の上限であることを、どのくらいの人が認識しているかで、その国の空気銃レベルが計れると私は考えている。つまり、金さえ融通できれば、ハイパワーに越したことはないと考えるか、自身の猟法に沿って考え、お金とは別にして、空気銃を考えられるかという造詣にかかわる話しである。
 構造的な期待
 そもそもプリチャージ銃でありながら、手軽にパワー調整できないことが、私に寄せられる話の本題のほとんどを占めている。
 この機構さえ装備していれば、パワーの何んたるかが、わかってくる。パワーが気軽に変更できない現実は、そのハンターからしてみれば、そのパワーを経験してみなければ、その価値や過剰なエネルギーであることに気付くチャンスが与えられていないのである。
パワー可変機構を備えると、ほとんどのハンターは最高パワーでは撃たない。その利便性、経済性が理解でき、自身に必要なエネルギーが明確になってくるのである。
 この事実を理解したハンターと、いつまでもパワーへの無頓着者とでは、極端なレベルの違いとなることが必然であろう。
  連発機構への依存
空気銃生産のほとんどを席巻している、イギリス産の空気銃には、残念ながら安心して使える連発機構は存在しないと私は感じている。1000発程度なら問題はなくても、数千発における信頼性はないのである。もちろん構造物である限り、消耗が原因で起こることは許さざるを得ないのだが、起こるべきして起こる機構的な欠陥には、とても許容しきれない。 われわれも交換部品として扱っているイギリス性の連発マガジンは、芯軸のずれと、弾の包括許容範囲の狭さに問題を残している。
 この問題の元凶は、精密な構造でなければうまく作動しない設計を、もともと取り入れていることであり、その修理は何とかなっても、基本的なシステムの改善には耐えられないことが、この問題をいっそう複雑にしている。
 また、このマガジンのシステムの目的は、そのマガジン独自で、連発機能を持たそうとしていることが、問題の発端である。つまり、給弾操作と、アクションを兼ねての、ボルトの前後運動により、弾倉が回転するシステムとしているのである。この機構のよいところは、もともと単発の銃にもほんのわずかな設計変更で、連発に変更できることである。つまり、銃には何の部品システムも不用な構造なのである。
 この一連の不具合を嫌って、固定式のオーソドックスなスタイルに仕上げたメーカーもあるが、弾によって入れずらかったりで、一長一短がある。
 回転弾倉のよいところは、弾の長さを選ばない点であるが、イギリス製は、バラクーダ以上の重たい弾が包括できないのは、残念である。世界的に見ても、一番問題なく、どのような弾でも包括できる弾倉は、韓国製の一部のメーカーだけである。
サイドレバーへの期待
狩猟用空気銃に対して、サイドレバーを起用しているのは、韓国製と日本のバイパーだけである。この素晴らしい機構をイギリスが採用しないのはなぜなのであろうか。有名ブランドの射撃専用銃すべてがサイドレバーの優位性を示しているのに、不思議な話である。私が思うには、イギリスという馬鹿でかい空気銃産業国においては、どのメーカーも採用せずに、売れているものを面倒なサイドレバーに切り替えなくてもよいのでは、と言うのが本音であると、私は感じている。